クルマの長期保有化が進む今、美観維持やボディ保護を目的としたコーティングへの注目度は高い。
このような背景から、ディテイリングショップはもちろん、ディーラー、ガソリンスタンド、さらに整備・鈑金塗装工場でもコーティングメニューを用意するケースが増えているが、品質を左右するのはコーティング前に行う下地処理の磨き(ポリッシング)だと言われている。
磨きは、コンパウンド(研磨剤)でクルマの塗装面に微細なキズをつけ、そのキズをより細かくして平らにする作業を指し、凹凸をなだらかにすることでキズが目立たなくなる。
磨き作業には、ポリッシャー、パッド、バフ、コンパウンドといった研磨ツールが必須。複数メーカーから数多くの関連製品が販売されており、基本セットはすぐに揃えられるが、特に重要なのは研磨ツールの組み合わせと言われている。もちろん研磨技術の習得も必要であり、独学で試行錯誤している一人親方の事業者は少なくないようだ。
そこで、一般向けのディテイリングサービスやプロユースのケミカル品開発・研磨ツール販売・実技講習なども行う、株式会社磨研 専務取締役の高崎康弘氏に、クルマの磨きや研磨ツールなどについて話を聞いた。
下地処理の「洗浄」からこだわる
コーティングさえすれば、ボディを美しく保持できると考えるのは間違い。まず重要なのは下地処理時の “ 洗浄 ”。その次の手段として “ 磨き ” があり、最後にコーティングがあると高崎氏はいう。
「喜多方や会津の一般道路は消雪パイプから散水される、あれが厄介。サビ水のためボディの水ジミになり、そこに融雪剤をかぶると黄ばみます。走行時は虫やピッチタール、ブレーキダストなども付着し、放置すると洗車では落ちません。市販のスケール除去剤を使えば落ちますが、強いものだとコーティングまで落ちてしまう。この状態から粘土やクリーナーで擦って鉄粉を除去するやり方は時間がかかり、ボディのキズが増えて艶がなくっていきます。更にここから磨きをかけると塗装が薄くなり、これを繰り返すと車体にダメージを受けやすくなる」と問題点を指摘する。
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