アルプスアルパインは5G通信や高精度測位など、車載デバイスを出展…CEATEC 2022

CEATEC 2022に出展したアルプスアルパイン
  • CEATEC 2022に出展したアルプスアルパイン
  • 車載スペックの5G通信モジュール「UMNZ1シリーズ」
  • 5G通信モジュール「UMNZ1シリーズ」
  • ローカル5G向けデバイス
  • ローカル5G向けデバイス
  • 補正なしに誤差50cmもの高精度に追い込めるGNSSモジュール
  • GNSSモジュール
  • 説明に応じてくれた電子部品営業本部の渡辺裕文さん(左)、C4営業部の花田早希さん(中央)、技術本部の梶原昇吾さん(右)

アルプスアルパインはCEATEC2022に出展し、車載向けとして開発中の5G NR対応通信モジュール「UMNZ1シリーズ」のほか、今年発表した「ローカル5G向けデバイス」などを紹介。車載向けサプライヤーとしての強さをアピールしていた。

◆車載スペックの高耐久性を実現した5Gモジュールを開発

「UMNZ1シリーズ」は、クルマ同士や歩行者などと通信して安全を担保するV2Xに役立つ5Gモジュールとして開発された。交通状況をリアルタイムでナビゲーションに反映したり、高解像度動画を即時ダウンロードして車室内ディスプレイで楽しむといったことを可能にする。同社製通信モジュールについてはあまり知られていないが、実は過去に2Gや4Gで通信モジュールを開発した実績がある。ただ、残念ながら目立った需要は生み出せなかったそうだ。

その一方で、アルプスアルパインはWi-FiやBluetoothなど、車載機器向けを中心とした通信モジュールは数多く手掛け、そのノウハウはしっかりと積んできていた。そんな矢先、車載でのコネクテッド化が急速に進む時代を迎えることになり、今後はテレマティクス系で5Gの通信モジュールの需要が高まると予測。これが同社が通信モジュールを再び手掛けるきっかけになったという。すでに2021年3月よりサンプル出荷が始まっているが、これは完全自動運転に向けて欠かせない機能として普及が期待されているところだ。

そして、この「UMNZ1シリーズ」を活用して開発したのが、今年4月に計画を発表した「ローカル5G向けデバイス」である。アルプスアルパインは車載機器で培ってきた経験の下、通常よりも高い耐久性と信頼性をこのデバイスに反映させたのだ。ローカル5Gのユースケースは基本的に工場など産業向けが主体となるとみられるが、それだけにデバイスを設置する場所も過酷な環境が強いられることが想定される。そうした中で、同社の車載機器で培ってきた経験が生かせるというわけだ。

◆補正情報なしで誤差50cmもの高精度測位を実現するGNSSモジュール

補正情報無しで車両位置誤差50cmもの高精度測位を実現するGNSSモジュールにも注目した。アルプスアルパインによれば、これは車載向けとして世界初。デッドレコニングに対応したアルゴリズムを備えつつ、6軸センサ(加速度+ジャイロ)も内蔵したことで、衛星からの電波をロストした際にも測位を継続できるメリットもある。

この精度の実現により、たとえば一般道(幅員約3m)においても車線ごとに車両位置を測位できるため、自動運転機能の高度化にも役立つと見込む。特にRTK(Real Time Kinematic)基準局や補正情報の受信部が不要となることや、補正情報を使わないことによるランニングコストを低減できるメリットは大きく、低コスト化につながることで普及拡大も期待できるという。

その他、空中にアイコンを浮かせることで衛生的に操作ができる非接触デバイス「ステルス空中インターフェイス」や、車内での子供置き去り防止に役立つ「子供置き去り検知センサ」を出展。前者は独自の光学設計を活用したもので、視認性にも優れるため、ホテルやショッピングセンターなど活用にとどまらず、車内のインターフェースとしての活用も想定しているという。後者はパルス式レーダーを使用したため低コストで装着できるのがポイントとなる。

《会田肇》

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