381系『やくも』の後継車は2024年春以降に…車上型制御付き振子を装備した273系

273系のエクステリアデザイン。車体の衝突安全対策や機器の二重系化などが図られる。
  • 273系のエクステリアデザイン。車体の衝突安全対策や機器の二重系化などが図られる。
  • 車体前面の貫通扉や側面に取り付けられるシンボルマーク。
  • 車体色は「沿線の自然・景観・文化・歴史を尊び、お客様と交感する色」として「やくもブロンズ」と名付けられる。
  • 山陰の文化・風土を演出するグリーン車のインテリア。明るく空間の広がりを感じられる黄色をベースに、富と長寿の象徴とされる亀の甲羅をイメージした「積石亀甲」模様をあしらう。
  • 沿線の自然・風土を演出する普通車のインテリア。沿線の山々をイメージした緑色をベースに、神事に用いられ魔除けの意味も持つ「麻の葉」模様をあしらう。
  • 273系の座席に用いられる柄。
  • 4区画あるグループ向け座席。
  • 大型テーブルと緩やかな仕切りがある向かい合わせ式のグループ向け座席。シートをフラット化することもできる。

JR西日本は10月20日、岡山~出雲市間の特急『やくも』へ新たに投入する273系特急型電車の概要を発表した。

車体前面の貫通扉や側面に取り付けられるシンボルマーク。車体前面の貫通扉や側面に取り付けられるシンボルマーク。

同車は老朽化した381系特急型電車を置き換えるため、2024年春以降に4両編成11本計44両が投入される計画で、車体傾斜方式は381系に続いて振子式となるが、381系が自然振子式であるのに対して、273系には鉄道総合技術研究所(鉄道総研)と川崎車両が共同開発した車上型の制御付き自然振子(制御付き振子)が導入される。

現行の381系『やくも』。定期運用を持つ国鉄特急型電車では唯一の存在だが、いよいよ終焉の時が近づいてきた。現行の381系『やくも』。定期運用を持つ国鉄特急型電車では唯一の存在だが、いよいよ終焉の時が近づいてきた。

これまでの制御付き振子は、自然振子式の欠点だった車体の振り遅れを解消するため、曲線データを車上側が持ち、地上側にある自動列車停止装置(Automatic Ttain Stop=ATS)の地上子と連動して自車位置を割り出してから傾斜位置を指令することで、滑らかな車体傾斜を可能としていた。

一方、273系の車上型は、「車上の曲線データと走行地点のデータを連続して照合し、適切なタイミングで車体を傾斜させる」とする方式で、車両単独で自車位置を割り出す機能が搭載されると思われる。

車体色は「沿線の自然・景観・文化・歴史を尊び、お客様と交感する色」として「やくもブロンズ」と名付けられる。車体色は「沿線の自然・景観・文化・歴史を尊び、お客様と交感する色」として「やくもブロンズ」と名付けられる。

エクステリアは「沿線の風景に響き自然に映える車体」として、北陸特急用の681系や北近畿特急用の289系に似た前面貫通式となる模様。「山陰の我が家のようにくつろげる温もりのある車内」とするインテリアは、座席配置がグリーン車2+1、普通車2+2となり、コンパートメント風のグループ向け座席も用意。シートピッチの拡大や座り心地の改善も図られる。

山陰の文化・風土を演出するグリーン車のインテリア。明るく空間の広がりを感じられる黄色をベースに、富と長寿の象徴とされる亀の甲羅をイメージした「積石亀甲」模様をあしらう。山陰の文化・風土を演出するグリーン車のインテリア。明るく空間の広がりを感じられる黄色をベースに、富と長寿の象徴とされる亀の甲羅をイメージした「積石亀甲」模様をあしらう。沿線の自然・風土を演出する普通車のインテリア。沿線の山々をイメージした緑色をベースに、神事に用いられ魔除けの意味も持つ「麻の葉」模様をあしらう。沿線の自然・風土を演出する普通車のインテリア。沿線の山々をイメージした緑色をベースに、神事に用いられ魔除けの意味も持つ「麻の葉」模様をあしらう。273系の座席に用いられる柄。273系の座席に用いられる柄。

車内設備としては全席にコンセントを装備し、車内WiFi、空気清浄機、多目的室、大型荷物スペース、防犯カメラも設置。車椅子スペースが拡大される。

4区画あるグループ向け座席。4区画あるグループ向け座席。大型テーブルと緩やかな仕切りがある向かい合わせ式のグループ向け座席。シートをフラット化することもできる。大型テーブルと緩やかな仕切りがある向かい合わせ式のグループ向け座席。シートをフラット化することもできる。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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