JR北海道は9月9日、留萌本線石狩沼田~留萌間35.7kmの鉄道事業廃止を国土交通大臣に届け出たと発表した。
留萌本線は深川駅(北海道深川市)と留萌駅(北海道留萌市)を結ぶ50.1kmの路線で、1910年11月に留萠線として現在の深川~留萠(現・留萌)間が開業。さらに1921年11月には留萠~増毛(ましけ)間も開業したが、2016年12月に廃止されている。


開業以来、ニシン漁や石炭搬出などで賑わい、国鉄時代は札幌や旭川から直通急行が運行されたこともあったが、JR移行後は普通列車が運行されるだけの純然たるローカル線に落ち着いていた。しかし、沼田町内の恵比島駅が1999年に放映されたNHK朝の連続ドラマ『すずらん』の舞台となったことから脚光を浴び、同年5月からはC11形蒸気機関車171号機を動態復元した上で『SLすずらん号』の運行が深川~留萌間で開始され、2006年まで運行された。


留萌~増毛間の廃止後は、留萌駅が新たな留萌本線の終点となったが、かつては国鉄羽幌線(留萌~羽幌~幌延)や私鉄の天塩炭礦鉄道(留萌~達布)、臨港線も乗り入れ、鉄道の要衝とされていたこの駅も、駅舎寄りの1番線ホームで列車が折り返すだけになってしまった。

留萌本線の廃止は8月30日に沿線の深川市、秩父別町、沼田町、留萌市が合意しており、JR北海道の発表によると廃止予定日を2023年9月30日としているが、国土交通省北海道運輸局における意見聴取の場で廃止日の繰上げを陳述するとしており、認められれば2023年4月1日に廃止するとしている。
なお、残る深川~石狩沼田間は2026年3月に廃止することが合意されている。
