医療機関でわざわざ診断を受けないでも、マイカーなどを運転操作中に認知症や緑内障の早期発見ができるならば、発症率が極めて高い高齢ドライバーにとっても朗報だろう。ホンダが、車の走行状態や運転者のわずかな傾向を人工知能(AI)で分析し、運転者の体調の異変を見つける技術開発に乗り出すという。
きょうの読売が1面トップで「認知能力低下、車が検知、ホンダAI開発へ」と報じている。それによると、ホンダは、国の量子科学技術研究開発機構と共同で、磁気共鳴画像(MRI)やセンサーを使って、運転者の脳や目の動きを分析。事故につながるミスの原因を探るためで、運転者の視線をカメラで検知し、横断する歩行者の見落としを警告する技術を開発中という。
さらに、技術を応用し、車が左右にふらついたり、車間距離が短くなったりする傾向が出た場合に、認知機能や空間を把握する能力が低下していることを知らせる機能を開発。センサーやカメラにAIを組み合わせ、運転支援だけでなく、体調や病気の疑いの分析に踏み込むとも伝えている。
ただ、体調不良の検知など安全運転に生かす技術開発をめぐっては、自動車各社がしのぎを削っており、このうち、マツダはカメラとセンサーで、居眠りや急病を検知し、車を減速・停止させる機能を開発し、すでに2022年以降に新型車へ搭載する計画を発表している。
きょうの読売の記事によれば、ホンダが実用化を目指すのは「2030年頃」としており、株価に影響を与えそうな投資家向けには好材料でも、すでに、免許の返納を判断せざるを得ない認知機能検査が義務付けられている高齢ドライバーにとっては即効性に欠き、何とも言えない気の長い“トップ記事”でもある。
2022年5月30日付
●認知能力低下、車が検知、ホンダAI開発へ、「短い車間」「信号遅れ」で(読売・1面)
●自動チェックインANA来年度廃止、国内線アプリ拡充(読売・4面)
●自転車事故再現安全呼びかけ、新宿署がイベント(毎日・20面)
●観光業界、期待と不安、訪日客来月10日受け入れ再開、円安追い風も感染対策課題(産経・3面)
●こちら特報部、ご当地ナンバー成果あった?「走る広告塔」廃止も可能に(東京・22面)
●首都高・東名・中央道、多摩川で展開先端工法、橋の架け替え渋滞防げ(東京・25面)
●内閣支持66%発足後最高、岸田政権、日米首脳会談評価61%、本社世論調査(日経・1面)
●核心、「日本消滅」マスク氏の警告(日経・9面)