「サヴォア・フェール」がキーワード…DS 4が日本上陸、質と美しさを重要視

フィリップ・セトン駐日フランス大使(右)とステランティスジャパンマーケティングダイレクターのトマ・ビルコ氏(左)
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  • DS 4
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ステランティスジャパンは4月28日夜、フランス大使公邸において『DS4』を一部メディアに公開した。そこで最も多く語られたのは“サヴォア・フェール”だった。

◆卓越した存在

サヴォア・フェールとはフランスのファッションブランドが良く使う言葉で、サヴォアは知る、フェールは作るという単語を合わせた用語で、熟練された匠の仕事、技を指した表現といえばその本来の意味に近いだろう。

フィリップ・セトン駐日フランス大使は記者会見冒頭、「(ステランティスグループは)多国籍でありながら、特にDSブランドを始めとするフランスの偉大なブランドを生産販売している。この大規模自動車グループの卓越性を最も体現できているのがこのDS 4だ」と話す。「このモデルは技術的進歩や革新的な側面などのほかに、美的な卓越性も表現。その証拠に第37回国際自動車フェスティバルにおいて、世界で最も美しいカーオブザイヤーに選出されている」と述べる。さらに、「DS 4は美しいラインだけでなく、脱炭素をはじめとする現代の課題への対応策などが取り入れられたサヴォア・フェールのノウハウの重要性や革新性に、個人や企業の類なく魅了されるに違いない」とコメント。

◆日本市場はトップ10入り

そして、DSオートモビルCEOのベアトリス・フシェ氏はVTRにて、「2019年に日本でブランドを立ち上げて以来、最も意義深いイベント」と今回の大使公邸での発表会を位置付ける。「DSオートモビルは、フランスの文化、フランスの強いアイデンティティ、美しさ、アート、ラグジュアリーの象徴だからだ」と述べる。さらに、「DSオートモビルは日本のプレミアム乗用車市場において最も素晴らしくフランスを体現する存在だ。今夜のイベントは日本とフランス両国間の友情を強く象徴するものでもある。両国は、価値観、デザインセンス、職人技と美しいものへの愛が共通しているからだ」と日本とフランスの関係性を強調した。

DS 4DS 4

日本は、DSオートモビルの販売台数トップ10カ国に入り、「ブランドの発展、そしてプレミアム市場の電動化の最前線に立つに際して特に重要だ」と位置付ける。先日『DS9』を発売し、今回DS4をデビューさせることで、「DSオートモビルのラインナップは2モデルから4モデル(前記に加え『DS 3クロスバック』、『DS 7クロスバック』)になり、BセグメントからEセグメントを網羅」。DS 4は、「セグメントの既定路線を見直し、印象的なプロポーション、そしてディテールへのこだわりと美しさへの情熱を兼ね備え、プラグインハイブリッド、ガソリン、ディーゼルを取り揃えている」とその特徴を話す。

欧州でのDS4の販売状況についてフシェ氏は、「販売から数か月でDSオートモビル全体の30%に達している」と好調さをアピール。そして、「日本のお客様は、世界中のどこの国よりもフランスのラグジュアリーなサヴォア・フェールの“真の理解者”だ。DS4が提供する美しく洗練されたデザインと、前衛的な自動車技術を融合したユニークな体験を称賛してくれるだろう」と、欧州と同じように日本でも高く評価されることへの期待をにじませた。

◆日本市場とDSとの高い親和性

さて、日本側としてはどう受け止めているのか。ステランティスジャパン代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏はDS 4について、「1955年にデビューしたシトロエン『DS』の素晴らしい伝統と“アバンギャルド精神”が吹き込まれている」と評価。

2014年に誕生したDSブランドを、「自動車業界にてフレンチ・ラグジュアリーとサヴォア・フェールを体現するブランドだ」としたうえで、「DS 4という極めて美しいモデルによりDSのラインナップは完成。多様なお客様ひとりひとりに適した商品を提供できるようになった。これらのモデルは、日常的に運転する中で芸術性を重視し、新しいテクノロジーを求めるお客様に向けてデザインされている。全てのDSはアートであり、洗練されたデザイン、そしてテクノロジーを融合している」とあくまでもサヴォア・フェールに基づいていることを強調。

そして、「日本の方々は質の高さと美しさを重要視するが、これはまさにDSオートモビルの基本姿勢と同じだ」と親和性が高いことをアピールし、「私は20年以上日本に住んでいるが、まだまだこの国に魅了され続けている。DS4は日本の道路によく馴染むだけでなく、どこに行っても強い印象を残すだろう。DS4に込められた高い技術と洗練されたデザインは、日本の方々が追求する高品質と美の基準を必ずや満たしてくれるだろう」とコメントし、今後DSオートモビルのクルマが日本市場に受け入れられていくことへの期待を語った。

DS 4DS 4

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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