ルネサス、那珂工場の生産回復に遅れ…車載半導体不足の懸念

ルネサスエレクトロニクス那珂工場(資料画像)
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ルネサスエレクトロニクスは3月23日、一部工場で福島県沖地震による影響を受けた半導体の生産の回復が遅れていると発表した。

同社グループは、震源地付近にある那珂工場(茨城県ひたちなか市)、高崎工場(群馬県高崎市)、米沢工場(山形県米沢市)が地震の影響で操業に影響を受けた。

車載半導体を主に生産している那珂工場は、3月23日を目途に地震発生前の生産能力(生産着工ベース)に回復する見込みとしていたが、一部製造装置の故障に伴う遅れが発生している。地震発生前の生産能力に回復するのは3月26日に遅れる見込み。地震発生前の生産能力に対し現時点で約50%の能力にとどまっている。地震当時、那珂工場で生産中だった仕掛品は、一部を廃棄した。仕掛品の廃棄分と工場稼働停止による生産ロス分については現在精査している。

高崎工場は3月22日に全製造設備の立ち上げを完了、3月23日に地震発生前の生産能力に回復した。 生産中だった仕掛品は、一部で廃棄が発生した。仕掛品の廃棄分と工場稼働低下による生産ロス分は、10日程度の生産量に相当する。今後、生産挽回を図る。

米沢工場は3月18日に全工程で生産を再開し、3月20日に地震発生前の生産能力に復帰した。仕掛品の一部を廃棄した。仕掛品の廃棄分と工場稼働低下による生産ロス分は、2日程度の生産量に相当する。

車載半導体の不足で自動車メーカー各社は自動車の生産調整を実施している。今回のルネサス工場での生産ロスと那珂工場の生産回復の遅れで、さらに自動車生産に影響が及ぶことが懸念されている。

《レスポンス編集部》

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