PASPY運営協議会は3月4日、ICカード『PASPY(パスピー)』のサービスを2025年3月までに順次終了する予定になったと発表した。
PASPYは2008年1月からサービスを開始した広島地区の地域ICカードで、鉄軌道事業者では広島電鉄、広島高速交通(アストラムライン)が導入している。同年4月からはJR西日本が運営するICOCAにも対応しているが、PASPYではICOCAエリアを利用できない片乗入れとなっている。2018年3月からはSuicaなど他の全国系ICカードも片乗入れで対応するようになった。
その後も利用事業者を拡大し続けていたものの「今後、機器の老朽化による更新に多額の投資が見込まれており、システムの維持が困難になっている」としてサービスを終了する方針に至ったという。
これを受けて3月4日には、アストラムラインが2024年度からICOCAやICOCA定期券の発売を開始予定と発表。広島電鉄では2024年10月を目途に、スマートフォンに表示したQRコードや新たな交通系ICカードを認証媒体とするAccount Based Ticketing(ABT)方式の新乗車券システムを導入すると発表している。
ABT方式とは、QRコードやICカードにある固有のID番号と、チャージ残高や定期券などの利用者情報を紐づけしたものをクラウドサーバーで管理する方式のことで、機器側で高速な計算処理を行なわないことから、システムの低廉化につながるとしている。
