ソニーグループ 十時副社長「EVに大きな資本投下は考えていない。アセットライトで」

ソニーVISION-S 02と吉田憲一郎社長(CES 2022)
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ソニーグループは2月2日、2021年度第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表した。それによると、売上高が前年同期比13.2%増の7兆6575億円、営業利益が同19.7%増の1兆637億円、当期純利益が19.9%減の7710億円だった。

また、第3四半期(10~12月)については、売上高が前年同期比12.5%増の3兆313億円、営業利益が同32.2%増の4652億円、当期純利益が同11.4%増の3462億円となった。

「売上高、営業利益は第3四半期としては過去最高となった。コロナ禍において、物流に大きな影響があり、半導体を含むデバイスの供給制約が長期化しているが、次に何が起こるのかといったことの予測を立てて、早めに対応したことが過去最高の業績につながった」と十時裕樹副社長兼最高財務責任者(CFO)は第3四半期を総括した。

ただ、想定外のこともあったようだ。それは人気商品の『プレイステーション5』が半導体など部品のサプライチェーンの問題で思うように供給できない状態が続いているからだ。2021年度の販売目標を当初1480万台以上に設定していたが、それが1150万台程度になる見通しだという。

また、十時副社長は先日、米国ラスベガスで開催された「CES 2022」で吉田憲一郎社長が打ち上げた「ソニーモビリティ」の設立についても言及した。

「設立時期は22年春と言っているが、具体的な時期は検討する必要があり、決まったタイミングで話す。ただ一点付け加えると、ソニーモビリティをつくって市場参入を検討すると言ったのであって、参入することが決まっているわけではない。クルマについては勉強することが多いと考えているので、会社を設立するというステップを経て、さらに勉強と検討を深めていく。具体的にどういうビジネスになるか、どういう規模になるかと言うのは時期尚早だ」と述べた。

ソニーモビリティでは、単独でバッテリーを開発したり、大規模な製造設備、販売や整備のためのインフラも持つことはないそうだ。「この分野に大きな資本投下は考えていない。パートナーがいる前提で資産を抱え込まない“アセットライト”でやっていく」と十時副社長は強調する。そのため、3年間の戦略投資2兆円の中にはソニーモビリティの電気自動車(EV)は入っていない。

なお、2021年度通期の連結業績見通しについては、10月の公表値から売上高が9兆9000億円(前期比10.0%増)に据え置くが、営業利益は1600億円増の1兆2000億円(同25.6%増)に、当期純利益は1300億円増の8600億円(同16.5%減)にそれぞれ上方修正している。

《山田清志》

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