ACEA(欧州自動車工業会)は1月18日、2021年の欧州全域(EU+EFTA+英国の全30か国)の新車販売結果を発表した。総販売台数は1177万4885台。前年比は1.5%減と、2年連続で前年実績を下回った。半導体不足が生産に影響を与えたため、としている。
◆5大主要国はドイツを除いてプラスに
5大主要国では、ドイツが262万2132台を販売し、前年比は10.1%減と2年連続で減少した。フランスは前年比0.5%増の165万9003台と、2年ぶりに増加した。イタリアも、前年比5.5%増の145万7952台と、2年ぶりのプラスだ。
英国は164万7181台を販売し、前年比は1.0%増と、5年ぶりの前年超えとなった。スペインも1.0%増の85万9477台と、3年ぶりに前年実績を上回る。
主要8社の販売実績は、首位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年比3.7%減の294万4117台と、2年連続で減少した。このうち、VWブランドが6.2%減の127万4137台と、2年連続のマイナス。アウディブランドも、0.5%減の59万7428台と、2年連続で減少した。
◆ジープブランドは3年ぶりのプラス
2位はステランティスで、2021年実績は238万8979台。前年比は1.6%減だった。その内訳は、プジョーが2.3%減の72万4383台と、3年連続のマイナス。シトロエンは0.7%減の44万5650台と、2年連続で減少した。DSは0.7%減の4万2708台と、2年連続のマイナスだった。
また、フィアットブランドは、前年比3.2%減の47万5502台と、4年連続で減少した。アルファロメオは27.8%減の2万6322台と、4年連続のマイナス。ランチア(クライスラーを含む)は、1.5%増の4万3725台と、2年ぶりのプラスだ。ジープブランドは、4.1%増の12万8968台と、3年ぶりのプラスとなった。
3位はルノーグループで、その販売台数は109万3539台。前年比は10.9%減と2年連続の前年割れだ。低価格のダチアブランドは、1.3%増の41万0788台と、2年ぶりのプラス。主力のルノーブランドは、17.1%減の67万8736台と、4年連続で前年実績を下回った。アルピーヌブランドは2438台を売り上げ、前年比は83.6%増と回復した。
◆BMWグループは2年ぶりの前年超え
4位は、ヒュンダイグループ(キアを含む)で、2020年の5位から上昇した。2021年は、101万8563台を販売し、前年比は21.1%増と2年ぶりに前年実績を上回る。ブランド別の販売台数は、ヒュンダイが21.6%増の51万5886台、キアが20.6%増の50万2677台と、ともに増加に転じた。
5位はBMWグループ(MINIを含む)で、2020年の4位から後退した。2021年は85万8762台を販売した。前年比は1.3%増と、2年ぶりに前年実績を上回った。BMWブランドは1.2%増の68万2895台で、2年ぶりに増加した。MINIブランドは1.7%増の17万5867台と、3年ぶりに前年実績を上回った。
6位はトヨタグループ(レクサスを含む)で、2020年の8位から上昇した。その販売台数は76万0178台で、前年比は9.6%増と、2年ぶりに増加した。トヨタブランドは10.2%増の71万2574台と、2年ぶりに増加した。レクサスブランドは1.3%増の4万7604台と、2年ぶりに前年実績を上回っている。
◆マツダは前年比4%増と2年ぶりのプラス
7位は、ダイムラー(メルセデスベンツとスマート)で、2020年の6位から後退した。その販売台数は67万8574台で、前年比は11.0%減と、2年連続の前年割れ。ブランド別では、メルセデスベンツが12.5%減の64万2948台と、2年連続で減少した。スマートは、31.3%増の3万5626台と回復した。
8位はフォードモーターで、2020年の9位から上昇した。2021年は52万3970台を販売した。前年比は19.2%減と、5年連続で減少した。
この他の日本メーカーでは、日産が24万9232台にとどまり、前年比は14.2%減と減少傾向にある。マツダは15万5434台を売り上げ、前年比は4.0%増と2年ぶりのプラス。三菱は7万3730台を販売し、前年比は29.1%減と2年連続で減少した。ホンダは6万8346台にとどまり、前年比は15.3%減と引き続き減少している。