音楽や動画配信などではもはや定番となり、最近ではクルマ本体そのものを対象とするなど自動車関連でもサービスの幅が拡大しているのがサブスクリプションサービス。いわゆる“サブスク”だ。
サブスクとは毎月定額の利用料を払うことで、サービスを受けることができる仕組みだが、その波が、ついに「タイヤ」にまで届いた。業界最大手であるブリヂストンが「Mobox(モボックス)」というネーミングでサブスクをスタートしたのだ。日本国内においてタイヤメーカーがサブスクを導入したのは初めてである(レスポンス調べ)。
タイヤとメンテナンスのサブスク Mobox(モボックス)タイヤのサブスクとは?
サブスクといえば定額の利用料を払うことで、契約期間内は使い放題というイメージかもしれない。確かに動画や音楽の配信サービスはそうだが、タイヤのサブスクであるMoboxは少し違う。トヨタ自動車の「KINTO」など車両のサブスクに近いと考えればわかりやすいかもしれない。
たとえばKINTOは、毎月の利用料に車両本体だけでなく保険や税金、さらにはメンテナンスや車検まで含まれている。契約期間も3年、5年、7年と選ぶことができ(トヨタの場合。レクサスは3年)、ライフステージに合った乗り換えもできる。つまり毎月定額のため急な出費を抑えながら、計画的にクルマを利用できるのがメリットだといえる。
Moboxは2年(24か月)もしくは3年(36か月)契約で、契約時にはブリヂストン製の新品タイヤ4本(幅広く選択できるサマータイヤのほかスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤも用意)が提供される。さらには、そのタイヤを履く際の工賃(脱着・組み換え・センターフィット=正確にハブの中心とホイールの中心をあわせて装着するブリヂストン独自の取り付け方法)、2年間有効のパンク補償や安全点検、メンテナンス通知などを受けられるのだ(ライトプランの場合)。
さらに上位の「スタンダードプラン」を選ぶと、「ライトプラン」のメニューに加えて窒素ガスの充填(契約期間内無制限)と夏冬タイヤ脱着とローテーション(契約プランによって回数は異なる、センターフィット込み)もプラン内に含まれる。つまり、加入して毎月定額を払えばタイヤに関するメンテナンスとサポートをしっかり受けられるプランと言っていいだろう。

パンクしても自己負担なしで新品に交換できる

ご存知の通り、タイヤは“買えば終わり”という商品ではない。購入時にはタイヤをホイールに組み込んでクルマに装着しないといけないし、長く使うためには前後輪の摩耗の差を均一化するためにローテーションをするのが望ましい。また、タイヤトラブルを防ぐためには日常のタイヤチェックも欠かせないが、すべてのプランに空気圧、偏摩耗、外傷、残り溝を無償かつ回数無制限でチェックする安全点検まで月々の利用料に含まれるのもポイントだろう。
そのうえ、ロードサービスを使う人のうち約20%がパンクによる救護要請というデータ(JAF調べ)もあるほどパンクは珍しくないが、そこもケアされる。このプランなら万が一パンクしても自己負担なし(上限金額あり)で4本すべてを新品に取り換えてもらえ(契約中1回に限る)、その際の工賃も補償されるのだ。とにかくタイヤに関する主要なメンテナンスが含まれるから心強い。
パンクは場所を選ばず突然起きるが、パンク時はタイヤを取り付けたお店だけでなく、全国に約560店舗あるタイヤ館やコクピットでも対応。専用コールセンターまで設けてバックアップ体制を築いているのもさすがである。
“タイヤのサブスク”3つのメリットとは

さて、そんなタイヤ使用の新しい形である“タイヤのサブスク”のメリットはどこにあるのか。3つが考えられる。
ひとつは、タイヤに関するコストを平準化できること。月々定額の支払いだけでタイヤそのものだけでなくメンテナンスまで含まれていて、パンクなどトラブル時に急な出費がないのがありがたい。夏冬タイヤ脱着やタイヤローテーションにしても通常なら工賃は数千円かかるが、スタンダードプランであれば、必要な回数のローテーションまで含まれているので助かる。
また、自営業にとっては毎月定額となるのでリースのように経費に組み込みやすいのもメリットとなるだろう。
ふたつめはメンテナンスまでコミコミの定額料金だということ。タイヤ本体に加えてローテーションやパンク時の新品交換、さらには回数無制限の安全点検までプランに含まれているから、安心できる。
3つめのポイントは、ブリヂストンブランドの高品質なタイヤが定額で使えることだ。特にREGNOなどプレミアムなタイヤは購入するとそれなりの初期費用となるが、サブスクなら毎月の利用料として支払うことになるので一気に高額な出費とならずに済む。ちなみに、契約期間満了後もタイヤを返却する必要はなく、そのまま使用可能だ。
タイヤとメンテナンスのサブスク Mobox(モボックス)金額では表せない安全・安心を得られるサービス

自動車ライターとして注目したいのは、初期費用を抑えるのはもちろんのこと、毎月定額の支払いだけで安全点検を受けられ、さらにパンクした際などに発生する突発的な費用負担が不要なことだ。たとえばパンク時は、パンク修理だけで済ませる人も少なくない。しかし、このサービスを使えば1回のみとはいえパンク時には4本とも新品にしてもらえるのだからより安全・安心と言える。
金額は選ぶタイヤ銘柄やサイズにより異なるが、無料の安全点検も含め、金額では表せない安全・安心感を得られることが最大のアドバンテージではないだろうか。
このサービスは、全国にあるブリヂストンリテールジャパンのタイヤ販売店「タイヤ館」と「コクピット」で提供しているから、近くの店を選べるのもありがたい。
REGNOやBLIZZAKがWEBで購入できるように

ところで、ブリヂストンのMoboxにはもうひとつ大きなニュースがある。同社の公式WEBサイトで、これまでWEBでは購入ができなかったブリヂストンラインアップが購入できるようになったのだ。
REGNOなどプレミアムタイヤやスタッドレスタイヤのBLIZZAKも対象となったのに加え、タイヤ選びに悩んでいる人にはクルマの用途や重視したいタイヤの性能など7つの質問に答えるだけでカーライフに合ったおすすめのタイヤをAIが提案してくれる「AI診断サービス」も用意している。WEB上でMoboxでの購入手続きから、履き替えの予約までできてしまうので、あとは指定の時間に店舗に行くだけ。現地での面倒な手続きや、作業待ち時間を心配しなくていいのも嬉しい。
これからのタイヤの買い方は、従来の方法だけでなくサブスクを選ぶこともできる。そしてブリヂストンのサブスク=Moboxは、店舗でもWEBでも自分にあった方法を選んで高品質なブリヂストンタイヤが購入できる。カーライフはますます快適になるだろう。
タイヤとメンテナンスのサブスク Mobox(モボックス)