理経、厚み検査の工数を削減する「3D Caliper」を販売開始…豪TECHSOFT社が開発

厚み検証機能
  • 厚み検証機能
  • クリアランス検証機能
  • 部品形状比較機能

理経は、豪州TECHSOFT社が開発した「3D Caliper」の販売を開始したと発表した。

製造業の設計には3D CADソフトの導入が進んでいるが、中でもPTC社「Creo Parametric」はさまざまな企業に採用されている。製造業では、エンジンなど破損や故障した際のリスクが高い部品の設計を行うケースがあるため、設計段階で十分な検証が必要となるが、同時に多くの作業工数を費やしていた。

理経では、設計作業にかかる負担を軽減するため、Creoと連携し、高精度な検証を自動で行える「3D Caliper」を提供する。3D Caliperは、Creoに新たな機能を追加するアドオンソフトウェア。厚み検証、クリアランス検証、部品形状比較の3つの機能を備える。

厚み検証機能では、一般的な3D CADソフトではできなかった、全方向への部品の厚みチェックを実施する。製品の故障を防ぐため、部品の薄い部位(または厚すぎる部位)を自動検出し、製造前に問題のある領域を特定。3D CADソフトを用いて手動で断面を作成する必要がなく、設計にかかる工数の削減にも役立つ。

クリアランス検証機能では、部品を組み合わせて一つの製品にしたときに、隣り合う部品同士がぶつからないかを測定する。すべての部品に対して全方向(縦・横・斜め)で距離が保てているかを3D的にチェックできるため、「2つの部品間で一番近い部分だけが検出され、2か所目以降は気づかない」というような問題点を解消。さらにその距離を数値で確認できる。

部品形状比較機能は、2つの部品間で形状の違う場所を検知し数値化する。設計の進み具合による形状の変化(試作時と量産前など)の確認や、設計データと3次元測定データ(STL)とを比較して形状検討に役立つ。

3D Caliperは、Creoに完全統合されるため、専用のツールを導入する必要がなく、Creo上で動作し使用できる。操作は簡単で、トレーニングの必要がなく、すぐに利用可能。検査結果のレポート出力機能で、CADソフトをインストールしていない人にも情報共有できる。また、複数のモデルを検査する場合、バッチ機能を使って一斉に検査が可能。その結果は保存され、後から簡単に確認できる。

理経では今後、Creoを導入する自動車会社のほか、その関連会社、製造業全般へ3D Caliperを提案していく。

《纐纈敏也@DAYS》

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