JR東日本は9月7日、山手線で実施している省エネ運転の試行結果を明らかにした。
これは、駅間の所要時間を変えずに最高速度を抑え、運転時のエネルギーを削減することが狙いで、加速時間や減速時間を短縮し、惰性により走行する「惰行」の時間をより長くしようというもの。
試行に際しては、E235系に搭載されている車両モニタリング機能を利用して、走行中における駅間ごとの消費電力量や所要時間、加減速操作のタイミングなどを分析し、その結果を基に省エネ効果と乗務員による再現のしやすさなどを考慮した加減速操作のタイミングを決定したという。
試行の結果、約10%の運動エネルギー削減を確認できたとしているが、これは年間で二酸化炭素(CO2)約1400t分に相当する約500万kWhの削減になるという。首都圏の在来線全線に換算すると、CO2約7万3000tに相当する約2億3000万kWhの削減になる見込み。
JR東日本では今後、走行データ取込みや省エネ運転曲線選定の自動化、乗務員への最適な運転操作のタイミングを伝える省エネ運転支援の導入などの検討を進め、「E235系が導入される他線区への展開や将来の自動運転への知見の活用など、省エネ運転の取り組みを推進していくことで、『脱炭素社会』の実現に貢献します」としている。