高速道路の無料化見直しや渋滞緩和に向けた料金体系…国交省の部会が中間報告

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国土交通省は8月4日、社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会が持続可能な高速道路システムの構築に向けた制度のあり方についての議論を踏まえた「中間答申」を発表した。

中間答申によると、2065年に料金を無料とした場合、維持管理費用の確保が問題となることから、料金徴収期間の延長を検討することを求めている。具体的には、高速道路を持続的に利用する枠組みとして更新費用の利用者負担を基本に、料金徴収期間の延長について具体的に検討する。

見通しが明らかになった更新・進化については一定期間毎に事業計画を策定し、計画的に事業を推進する。債務の確実な返済見通しの確認のため、債務返済計画を策定し、その期間の料金徴収の継続を検討するとしている。

将来の維持管理等の負担のあり方については更新・進化の債務完済後、引き続き料金徴収を継続するか、税負担に切り替えるかは引き続き議論が必要としている。

現在無料となっている高速道路の維持管理等の負担の方向性については利用者負担を基本とし、周辺ネットワークの状況や整備の経緯を踏まえつつ、地域の意見を聴取した上で、有料高速道路の隣接区間を中心に慎重に検討するべきとしている。

また、交通需要の偏在に起因する混雑緩和のため、大都市圏の主要な渋滞発生区間を対象に、時間帯や曜日をあらかじめ区切って交通転換を図るための料金施策の導入を検討する。

大都市圏割引については物流に配慮しながら激変緩和としての上限料金を順次見直す。首都高速に続いて阪神高速の料金体系についても見直しを検討する。都市部の政策的課題を解消するため、外側の環状道路の利用を促進する料金体系とする。ETC専用化を推進しつつ、本線料金所を順次撤去する。ターミナルチャージの重複徴収の撤廃について検討する。

高速道路の将来像として未来の高速道路を取り巻く環境や技術革新が想定を超えて変化すると予測した上で、社会・経済システムの中心となって進化し社会・経済の変革やパラダイムシフトをリードしていくべきとした。

このほか、速やかに実現するべき料金制度のあり方として、平日朝夕割引については適用時間帯の柔軟化や通勤者の利用促進に向けて制度を見直す。深夜割引は割引適用時間帯の拡大や適用時間帯の走行分を対象とする。休日割引は繁忙期に割引を適用しないことや観光周遊を対象に割引を拡充する。

高速道路の維持管理・修繕・更新で重視する視点として「最新の知見を踏まえた更新事業等の追加」や「更新工事が与える社会的影響の軽減」、「データ活用や新技術の開発・導入」、「大型車利用の適正化による構造物の長寿命化」を挙げる。

《レスポンス編集部》

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