JR東日本は7月29日、同社が発売した高額オレンジカードを9月30日限りで廃止すると発表した。
オレンジカードは、自動券売機での切符購入に利用できるプリペイドカードとして国鉄時代の1985年3月に発売が開始され、500・1000・3000円の低額カードと、5000円、1万円の高額カードが設定された。
1987年4月の国鉄分割民営化時にJR旅客6社へ引き継がれ、一時は鉄道車両やタレントなどを使った様々な絵柄が登場したことからコレクション的な需要が高まったほか、企業の販促や贈答などにも盛んに利用されたこともあり、ピーク時はJR東日本だけで300億円を超す売上があったという。
しかし、2000年代に入るとSuicaなどの交通系ICカードが急速に普及したこともあり需要が低下し、JR旅客6社は2013年3月31日を最後に販売を終了、以後は発売済のカードを利用できるのみとなっていた。高額カードは偽造の温床になっていたためそれより早く1997年3月に販売を終了していた。1998年1月には利用も停止されており、以後は低額カードとの交換が行なわれているが、これも終了する。
JR東日本では今回の廃止により、『5,000(5,300)』や 『10,000(10,700)』、『JR東日本』や『東日本旅客鉄道株式会社』の記載がある高額オレンジカードの残額を10月1日から2023年3月31日まで現金で払い戻すとしており、駅の「みどりの窓口」で対応するが、残額が5万円以上ある場合は郵送での対応となる。