高額運賃の北総鉄道、2022年度に値下げか?---会社創立50周年へ向け累積赤字が解消の見込み

京成高砂駅(東京都葛飾区)と印旛日本医大駅(千葉県印西市)を結ぶ北総鉄道は、6月23日に発表した2020年度決算において運賃値下げの可能性を検討することを明らかにした。

北総鉄道は1972年5月に北総開発鉄道として設立。1979年3月に1期線(新京成電鉄北初富~小室)が、1984年3月に開業した住宅・都市整備公団(現・千葉ニュータウン鉄道)千葉ニュータウン線(小室~千葉ニュータウン中央)での運行開始を経た1991年3月には2期線(京成高砂~新鎌ヶ谷)が開業した(北初富~新鎌ヶ谷間の連絡線は翌年7月に廃止)。

しかし、建設費の高騰に加えて、期待されていた千葉ニュータウンの開発計画が縮小・遅延したことなどによる輸送人員の伸び悩みなどで苦しい経営が続き、累積赤字が拡大。建設費の元本償還猶予などの支援策がしばしば講じられていた。

その間、第2種鉄道事業者としての運行が1995年4月には千葉ニュータウン中央~印西牧の原間、2000年7月には印西牧の原~印旛日本医大間に拡大。2004年4月に現社名に変更し現在に至っているが、100億円台の巨額な累積赤字は2016年度まで続いていた。

このような経緯から、現在の北総鉄道は普通最低運賃(3kmまでの切符利用)が210円(JR東日本の山手線内は3kmまで140円)となるなど、首都圏の他の鉄道事業者のなかでは群を抜いて高額で、加えて、東京都心へは京成電鉄(京成)本線や都営地下鉄浅草線の運賃が合算されるため、乗継割引があるとはいえ、割高感に輪をかけている。それゆえに過去には地域住民から高額な運賃に対する訴訟を起こされたことや、沿線自治体から運賃低減のための補助を受けていたことがあった

今回発表された2020年度決算では、2019年度比で輸送人員、営業収益とも2割以上減少したが、コスト削減により営業費用を2割近く削減。経営支援に伴なう独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)への償還利息も減少したものの、最終的な純利益は半減する結果となった。

とはいえ、1999年度以降は21年連続で黒字決算が続いていることもあり、2020年度の累積赤字は前年度の約44億円から約31億円まで減少。会社創立50周年を迎える2022年度中には解消される見込みになったとして、今回の発表に至った。仮に値下げが実現すれば、北総鉄道の沿線にとっては画期的な出来事となるだろう。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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