東急電鉄は5月14日、親会社の東急が5月13日に発表した中期3か年経営計画に基づいた「新・中期事業戦略 “3つの変革・4つの価値”」を発表したが、このなかで2023年度までに運賃改定を実施することを示唆している。
発表によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴なうテレワークなどが定着したことで、2020年度の定期運賃収入は対前年度比で31.5%減少。定期外を含む運賃収入も30.9%減少し、165億円の損失を計上したという。
この減少率は、東武鉄道、西武鉄道、京成電鉄、京王電鉄、小田急電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道といった他の関東私鉄大手7社と比較して最大としている。
これにより、駅の改良や軌道横の法面補強、ホーム上家の延伸といった工事の先送りを余儀なくされているが、東急電鉄では、事業継続へ向けて、東横線へのワンマン運転導入や新卒採用の一部停止、広告宣伝費の抑制などのコスト削減に努めるとしている。
しかし、2022年度には目黒線の8両化や田園都市線の全面2020系化、相鉄・東急直通線の一翼を担う東急新横浜線(新横浜~新綱島~日吉)の開業などが予定されていることから収支の抜本的な改善は難しい状況で、「お客さまの負担増を極力抑えた形での運賃改定についても検討し持続的な鉄道事業を目指す」としている。