JFEスチール、自動車軽量材料を高効率生産できる技術を開発

エンドレス圧延設備の概要
  • エンドレス圧延設備の概要
  • 接合部の高温延性に関する従来法と開発法の比較結果

JFEスチールは5月6日、自動車の軽量材料である高張力鋼板(ハイテン)の熱間連続圧延技術(エンドレス圧延)を世界で初めて開発し、東日本製鉄所(千葉地区)熱延工場で量産を開始したと発表した。

自動車の低燃費化や電気自動車(EV)の航続距離を伸ばすため、自動車の軽量化ニーズは高まっており、ハイテンの採用部位は拡大している。同社は今回、ハイテンを高効率生産できる生産技術を開発、ハイテン需要の拡大に対応していく。

熱間圧延プロセスでは通常、加熱したスラブを粗圧延機と仕上げ圧延機で1枚ずつ所定の板厚まで圧延、冷却設備で巻き取り温度を制御した後、コイル状に巻き取る。しかし、仕上げの圧延時、コイルの先尾端に張力がかからないため、鋼板の形状悪化や蛇行が発生するケースがある。

この問題に対処するため、粗圧延機と仕上げ圧延機との間に接合装置を設置、コイルの先尾端を接合して仕上げ圧延機に複数のコイルを連続的に装入するエンドレス圧延を導入しているが、この方法では機械的特性の向上を目的に添加している合金元素の影響で、接合部の強度や延性が低下して、仕上げ圧延時に破断するケースがあった。

今回、接合部の強度と延性の低下を防ぐ技術を開発し、仕上げ圧延時の破断を抑制することに成功した。これによってハイテンのエンドレス圧延が可能となり、ハイテンの安定生産と生産性向上に寄与するとしている。

同社では、自動車の軽量化と衝突安全性向上の両立に寄与する高性能なハイテンを開発して、増加が見込まれるハイテンの需要に対応していくとしている。

《レスポンス編集部》

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