5G通信でコネクトカーや自動運転車の安全性を高める 米ホンダが共同研究テスト

米ホンダとベライゾンの5G通信でコネクトカーや自動運転車の安全性を高める共同研究テスト
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ホンダ(Honda)の米国部門は4月9日、ベライゾンの5G通信を利用して、コネクテッドカーや自動運転車の安全性を高めるための共同研究テストを開始した、と発表した。

ホンダは2017年から、「セーフスウォーム(SAFESWARM)」と呼ばれる衝突のない社会を実現する技術を開発してきた。車車間通信(V2V)や路車間通信(V2I)を含めた「V2X」でデータをやり取りすることにより、見通しの悪い交差点進入時の衝突の回避や、合流時や車線変更時のスピードを分析し、適切なスピードタイミングでの合流や車線変更をアシストすることで渋滞発生を防ぐなど、大群でも互いにぶつからずに泳ぐ魚の群れ(Swarm)のように、交通全体の流れを安全かつスムーズにすることを目指している。

ホンダとベライゾンは、実際に起こりうる3つの危険を想定し、5G通信によって事故を回避するテストを実施した。このテストには、ベライゾンの5G通信、MEC(モバイルエッジコンピューティング)、V2Xソフトウェアが使用された。

例えば、道路を横断しようとしている歩行者が、建物や他の車両に隠れていてドライバーから見えない場合、交差点に設置されたスマートカメラが、5Gネットワークを利用して情報をMECに送信する。これにより、歩行者と車両を検出し、歩行者の正確な位置を特定。潜在的な危険を、ドライバーに警告するメッセージが送信された。

また、ドライバーが車内で大音量の音楽を聴いており、ドライバーに緊急車両のサイレンが聞こえない場合を想定したテストも行った。ベライゾンのMECとV2Xソフトウェアは、緊急車両からメッセージを受信し、近くを走行している車両に警告メッセージを送信。これにより、ドライバーは緊急車両の接近警告を受け取ることができた。

信号無視の車両を想定したテストも実施した。ベライゾンのMECとV2Xソフトウェアは、スマートカメラからのデータで車両を検出し、交差点に接近している他の車両に信号無視の車両の存在を知らせる警告メッセージを送信した。

これらの研究テストでは、5G通信とMECが車両とインフラ間で緊急の安全メッセージをやりとりできる可能性を示しているという。将来的には、このコネクテッドカー技術が、自動運転車がシームレスに通信できるようにするのに役立つ可能性がある、としている。

《森脇稔》

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