ホンダ、技術ライセンスWebサイトを公開---独自技術の社外活用を加速

Webサイトイメージ
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  • 技術活用の流れイメージ
  • 抗ウイルス・抗アレル物質布地「アレルクリーンプラス」
  • 撥水・撥油性の布地「ファブテクト」
  • 電機・水ポンプのエンジン排熱を利用した蒸留水生成装置
  • 耐食性に優れた防錆皮膜「HyD(ハイディー)コート」
  • 高強度耐熱マグネシウム合金
  • ハイサイクル・外観性向上を叶えた着色メタリック樹脂

ホンダは4月5日、同社が保有する独自技術の社外活用加速を目的とした技術ライセンスWebサイトを公開した。

ホンダは二輪・四輪・ライフクリエーション・航空機と幅広く事業を展開し、商品やサービスの開発だけでなく、将来に向けてさまざまな分野で研究を行っている。こうした活動の中で生まれた技術・ノウハウは、特許としてホンダが保有しており、その件数はグローバルで5万件を超える。自動車などの製品に用いられる技術は、強度や耐久性など求められる過酷な条件をクリアしており、ホンダ製品以外にも、さまざまな製品への適用が可能だ。

ホンダには創業以来変わらない「技術は人のために」という想いがある。同社が開発した技術・ノウハウを幅広くさまざまな業種・領域で活用してもらうことで、より多くの人に「生活の可能性が拡がる喜び」を提供したいと考え、これまでも技術のライセンス活動を行ってきた。

例えば、『N-BOX』のシートに使われている抗ウイルス・抗アレル物質布地「アレルクリーンプラス」はオフィス家具メーカーにオフィスチェアのクロスとして採用されている。また、『レジェンド』に使われていた夜間歩行者認識技術は、スワローインキュベートでAPI・SDK化したものが、半導体メーカーで利用されるなど、異業種での技術活用が広がっている。

今回、さらに幅広くさまざまな業種・領域でホンダの技術を活用してもらうため、技術活用の窓口となるWebサイトを公開。Webサイトにはライセンス可能な技術が掲載されており、問い合わせフォームから、ライセンス契約の相談ができる。

ライセンス対象技術

・抗ウイルス・抗アレル物質布地「アレルクリーンプラス」
付着したインフルエンザウイルスやアレル物質(ダニ・スギ花粉)を不活性化する加工剤を施した布地。家具、事務用品、公共施設や交通機関の内装など、不特定多数が触れる製品へ使用できる。

・撥水・撥油性の布地「ファブテクト」
シート表皮に飲食物の汚れが浸み込みにくく、簡単にお手入れできる布地。家具、飲食店の座席や内装、事務用品など、丸洗い洗濯ができない製品へ使用できる。

・水ポンプのエンジン排熱を利用した蒸留水生成装置
発電機・水ポンプを運転しながら飲料水を生成できる。アフリカなどの飲料水へのアクセスが容易でない国でのニーズが見込まれる。

・耐食性に優れた防錆皮膜「HyD(ハイディー)コート」
六価クロムフリーの高耐食性・外観性に優れた樹脂コーティング(黒/銀)。さまざまな種類のネジ・ボルト類、その他の金属加工品(鉄)への処理に使用できる。

・高強度耐熱マグネシウム合金
耐熱性に優れ、熱伝導率が汎用マグネシウム合金AZ91Dに対して約2倍。溶解作業中の難燃性も優れている。自動車エンジン部品、トランスミッションケース、内外装部材、インバータ―・コンバーターなど電力変換機器ケース等の部材へ活用できる。

・ハイサイクル、外観性向上を叶えた着色メタリック樹脂
短時間サイクルで成形可能かつ外観性の高い着色メタリック樹脂と、その成形技術。家電、玩具、ガーデニング製品などでメタリック調の外観を適用したい樹脂製品に活用できる。

・人が入れない場所に車を停める無人車両搬送ロボット
車両の車輪を持ち上げて搬送を行うロボット。車両、施設自体が無人車両を移動させる機能を備えていない場合でも、無人の車両を移動させることができる。駐車施設内での自動駐車・出庫(オートバレーパーキング)、非接触充電方式のEVの計画充電、展示場での移動展示などに活用できる。

・ロボット聴覚 HARK(ハーク)
複数音源を聞き分けることができる「ロボット聴覚」技術。災害救助、受付ロボット、環境アセスメント(鳥類の生息確認)、その他音声認識機能を有する製品、サービスなどに活用できる。

・マルチドメイン対話システムフレームワーク HRiME
単純な質疑応答(一つの問いに対して一つの答えを返す)ではなく、対話(複数回のやり取り)を行う自然言語処理技術。ユーザー対応チャットボット、公共施設/交通機関の案内ロボット、その他ヒトと対話することを機能とする製品やサービスに活用できる。

・接合技術 摩擦撹拌接合(FSW)
摩擦熱と圧力によって鉄とアルミを接合する設備および接合手法。鉄とアルミの異材接合が求められる分野での活用(汎用多関節ロボットを用いた既存ラインで実現する。

《纐纈敏也@DAYS》

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