熊本市電に「女性優先車」を本格導入へ…平日7~9時限定 4月1日から

熊本市電の低床電車。女性優先車の試験導入は3月31日まで続けられる。
  • 熊本市電の低床電車。女性優先車の試験導入は3月31日まで続けられる。
  • 女性優先車両の位置。進行方向後部車両が充てられる。
  • 増加傾向にある車内の迷惑行為が女性優先車両導入の契機となった。
  • 女性優先車両試験導入中の利用状況。

熊本市電を運営する熊本市交通局は3月18日、「女性優先車両」を本格導入すると発表した。

同局は「市電車内における迷惑行為(痴漢・盗撮等)の防止を図り、女性が安心してご利用いただける環境を提供する」として、2020年9月14日から女性優先車両の試験導入を実施しているが、2021年3月12日までの平日1本あたりの平均利用者数は、女性42人、女性以外が8人という結果になったという。

一方、2021年2月に行なった2回目のアンケートでは、女性の9割、男性の7割から導入に「賛成」「どちらかといえば賛成」という回答があり、2020年11月に行なった1回目より男性の支持が2割程度上がっていた。

「一般車両が混雑する」という、乗車数の不均衡を指摘する反対意見もあったが、調査によると、進行方向の前部を一般車両とした場合でも、元来は混雑していたため、問題なしとされた。

これらの結果を受けて、4月1日から本格導入に踏み切ることとなり、平日7~9時の間、A系統上り(健軍町→熊本駅前・田崎橋)、B系統上り(健軍町→上熊本)、A系統下り(熊本駅前・田崎橋→健軍町)、B系統下り(上熊本→健軍町)の各2本計8本で実施される。

試験導入と同様、女性優先車は低床電車の進行方向後部が充てられ、女性以外では、小学生以下、障害者(介護者を含む)も利用できる。あくまで任意利用となるため、車内放送で協力を呼びかけるものの、「男性のお客様が乗車された場合でも、乗務員が直接お声かけを行うことはありません」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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