VW、グループ傘下の全ブランドの技術的基盤を統一へ…電動化を加速

プラットフォーム戦略を確実に発展

電気自動車用の3種類のプラットフォーム

「VW.OS」が車載コネクティビティのベースに

フォルクスワーゲン ID.4
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フォルクスワーゲングループ(Volkswagen Group)は3月16日、すべてのグループブランドの車両とサービスが将来、ほぼ標準化された技術的基盤をベースにすると発表した。

プラットフォーム戦略を確実に発展

フォルクスワーゲングループは、電動化や完全なコネクテッド時代におけるパーソナルモビリティのリーディングプロバイダーへと変革するためのペースを加速していく。この目的のため、グループは成功を収めているプラットフォーム戦略を確実に発展させる。

将来的には、すべてのグループブランドの車両とサービスは、ほぼ標準化された技術的基盤をベースとする予定だ。グループの新しいプラットフォームロードマップは、ハードウェア、ソフトウェア、バッテリー&充電、モビリティサービスという4つの要素で構成されている。このロードマップは、フォルクスワーゲングループが生産の複雑さを軽減し、スケールメリットとブランド間の相乗効果によって、グループの変革を加速させるのかを示すものになるという。

フォルクスワーゲングループは、今後も未来のテクノロジーに対する投資を確保するため、中核事業に注力し、財務基盤を強化していく。

電気自動車用の3種類のプラットフォーム

フォルクスワーゲングループの「モジュラーエレクトリックドライブツールキット(MEB)」は、自動車業界で最も有力な電気自動車専用プラットフォームのひとつと自負する。このプラットフォームは、ヨーロッパ、中国、そして米国での生産 により 、世界中でスケールを拡大している。2022年までに、グループ全体で、MEBをベースにした27のモデルを導入する予定だ。

さらに、早ければ2022年にも、「プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)」をベースとしたより優れた加速、長い航続、短い充電時間を特長とする最初のモデルが発売される予定だ。

また、フォルクスワーゲングループは2020年代の半ばまでに、「スケーラブルシステムプラットフォーム(SSP)」を開発する計画だ。これは、全ブランドやセグメントのモデルに展開可能なフルデジタル化され、スケーラブルな次世代の電気自動車用のプラットフォームになる。

「VW.OS」が車載コネクティビティのベースに

車載コネクティビティとソフトウェアについても、今後数年間ですべてのブランドで採用することで、相乗効果を得ることを目指している。そのすべては、2020年に設立されたCar.Softwareが提供する「VW.OS」オペレーティングシステムがベースとなる。「バージョン1.2」は、PPEに対応するように設定される。その後、「バージョン2.0」を、SSPとともにグループ全体に展開する予定だ。それまでに、自動車用ソフトウェア開発の内製率を、現在の10%から60%に引き上げる。

Car.Softwareはまた、自動運転、データが土台となっているビジネスモデル、新しいモビリティサービスの技術的基盤も開発している。さらに、フォルクスワーゲンは、バッテリーや充電のためのプラットフォーム戦略も推進している。グループは2023年から、世界中に展開する統一規格のセルを導入する。2030年までに、統一規格のセルは、グループ傘下ブランドによる電気自動車の約80%に搭載される予定だ。

新しいプラットフォームロードマップの4番目の要素は、モビリティサービスとその他のサービスだ。主要なサービスには、「MOIA」ライドプーリングサービス、「WeShare」カーシェアリングサービス、フォルクスワーゲンバンクが提供するさまざまなサブスクリプションサービスがある。フォルクスワーゲングループは、提供しているサービスを発展させながら、必要に応じてパートナーと開発しているシステムの専門知識を蓄積していく、としている。

《森脇稔》

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