「恵みの円安」自動車7社2800億円増益か…1ドル109円・1ユーロ130円水準で日経が試算[新聞ウォッチ]

マツダCX-5の輸出(写真は2019年)
  • マツダCX-5の輸出(写真は2019年)
  • マツダCX-5の輸出(写真は2019年)

自動車などの輸出型産業にとっては追い風となる「円安」が加速しているようだ。週明けの3月15日の東京外国為替市場の円相場はドルに対して下落し、一時1ドル=109円36銭を付けるなど、昨年6月以来、約9カ月ぶりの円安ドル高水準。1ユーロも130円台で推移している。

円安が加速している背景には、大型経済対策やワクチン普及による景気回復期待から米国の長期金利の上昇を受け、日米金利差の拡大を意識した円売りドル買いが先行からだとみられる

きょうの日経が「投資情報面」で「製造業、4000億円増益要因」というタイトルで報じているが、言うまでもなく、ドルやユーロに対する円安が輸出製造業の業績への増益要因としても期待できるからだ。

記事では、業績への為替影響が大きい輸出製造業19社(自動車7社、精密5社、電機4社、重工・機械3社)を対象に試算。それによると、足元の水準が21年度に継続すると、主要19社の営業利益は20年度会社予想に比べ約4000億円押し上げられるそうだ。

このうち、北米などで販売が復調傾向にある自動車大手7社では、対ドルと対ユーロの合計で、円安によって21年度に約2800億円の増益要因になるという。中でもトヨタ自動車は、足元の円安が21年度に続けば、対ドルと対ユーロ合計で約1674億円の押し上げ要因。世界販売の6割を米国市場で占めるスバルが337億円、輸出比率が高いマツダも106億円、赤字経営が続く三菱自動車でも98億円の増益要因になるという。

さらに、円安は対新興国通貨でも加速。インドに強いスズキの20年度の想定レートは1ルピーが1円43銭で、足元は1円47銭。円安方向に0.1円振れると営業利益を年間77億円押し上げ、足元の円安が21年度に続く前提で試算すると約30億円の増益要因となることも伝えている。

新型コロナや半導体不足の影響などで、業績回復が足踏み状態の自動車業界にとっては「恵みの円安」にもなりそうだ。

2021年3月16日付

●NTT甘い距離感、澤田社長招致。政治家・官僚は「身内」(読売・3面)

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●製造業、4000億円増益要因、1ドル109円、1ユーロ130円水準続くと、19社21年度営業(日経・19面)

●パーク24赤字47億円、11~1月最終、カーシェア低迷(日経・19面)

●F1ホンダ、集大成へ発進、タイトル奪回狙う(日経・41面)

《福田俊之》

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