JR東日本は2月16日、常磐緩行線(綾瀬~取手)に同社初の自動列車運転装置(Automatic Train Operation=ATO)による自動運転を、3月13日のダイヤ改正から営業列車で順次開始すると発表した。
JR東日本のATOは、自動列車制御装置(Automatic Train Control=ATC)をベースにしたもので、許容速度以下で列車の加減速や定位置停止制御を自動的に行なう。
新交通システムや地下鉄ではおなじみのシステムだが、一般の鉄道としては首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)や埼玉高速鉄道、東京地下鉄(東京メトロ)に次ぐもので、JR東日本では2018年12月から2019年1月にかけて、山手線のE235系を使用して試験を実施していた。
ちなみに、鉄道の自動運転には「GoA」(Grade of Automationの略)と呼ばれる0・1・2・2.5・3・4という6段階の自動化レベルが定義されている。
新交通システムでは「踏切なし、高架、ホームドアあり」などの条件下で、前頭部以外に添乗員が乗務する「GoA3」または完全無人の「GoA4」と呼ばれる高度な自動運転が行なわれているが、常磐緩行線では、相互直通運行を行なっている東京メトロ千代田線で、運転士が前頭部に乗務しての「GoA2」と呼ばれる半自動運転が行なわれているため、JR東日本の自動運転もこのレベルで実施されるものと思われる。
JR九州でも自動運転の導入を目指し、2020年12月から香椎線香椎~西戸崎間でGoA2レベルの試験が行なわれているが、こちちは自動列車停止装置(Automatic Train Stop=ATS)の1種である速度照査と速度制限に対応した「ATS-DK」をベースにしたシステムで、最終的には、前例がない、運転士以外の添乗員が前頭部に乗務するGoA2.5を目指している。