日野、10-12月期の営業損益が黒字に転換…佐藤専務「自助努力の成果」

日野プロフィア
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  • 日野自動車 2021年3月期第3四半期決算説明会資料
  • 日野自動車 2021年3月期第3四半期決算説明会資料
  • 日野の米国工場で生産しているトラック
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日野自動車が1月27日に発表した2020年度第3四半期累計(4~12月期)決算は、新型コロナウイルスの影響による国内外での需要の減少により営業損失が9億9600万円と、11年ぶりの赤字となった。

その一方で、日本やタイ市場で販売が回復しつつあることに加えて、原価低減活動などの効果により、10月から12月までの直近3か月間の営業損益は106億7500万円の黒字に転じた。

日野自動車の佐藤真一取締役・専務役員は同日オンラインを通じて行った決算説明会で「今期は期首から大変厳しい環境が続く中で、年度での営業利益黒字化に向けてグループ一丸となって様々な取り組みを進めてきたが、効率化活動、原価低減活動など自助努力での成果の着実な刈り取りが進んで、ここまで来た」と評価した。

国内について佐藤専務は「海外での在庫調整に伴う大幅な出荷減に加えて、国内のトヨタ向けも減少となったが、四半期ごとに収益は改善している。第3四半期だけでみると79億円の黒字に転じている」と説明。

また海外に関しては「メイン市場であるインドネシアは引き続き新型コロナウイルスの影響が大変大きく、本格回復にはまだ時間がかかる」としながらも、「タイはコロナの影響が比較的軽微であることに加えて、eコマースの市場拡大により小型車を主体に販売が伸びているうえ、大中型も回復が早く、第3四半期の販売は前年比プラスとなった。今後もこの傾向が続く」と述べた。

一方、海外事業を巡って日野は北米市場向け車両のエンジン認証試験過程に問題が生じとしてアメリカとカナダにある2つの工場の生産を2021年9月まで停止することを昨年末発表している。佐藤専務は「北米工場の生産停止や、新型コロナウイルスの影響というリスクもある。また第3四半期までの累計でまだ赤字の営業損益だが、これを年度で確実に黒字化することを最優先として進めていく」と述べ、昨年10月に公表した2020年度の売上高1兆4300億円、営業利益30億円の予想を据え置いた。

ただ最終損益予想に関しては「北米子会社2社の車両生産停止に伴って想定される補償関連費用約140億円を反映し、従来の30億円の赤字から120億円の赤字へと下方修正した。

《小松哲也》

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