【スーパーフォーミュラ 最終戦】坪井翔が今季2勝目…山本尚貴が3度目のチャンピオンを獲得

3度目のチャンピオンを獲得した山本尚貴
  • 3度目のチャンピオンを獲得した山本尚貴
  • 最終戦の表彰式。左から2位の大湯都史樹、優勝した坪井翔、3位の松下信治
  • 優勝した#39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
  • 2位の#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
  • 3位の#50 松下信治(Buzz Racing with B-Max)
  • 4位の#1 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
  • 5位でフィニッシュし、チャンピオンを獲得した#5 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
  • 6位の#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

富士スピードウェイで20日、スーパーフォーミュラ2020年シーズンの最終戦となる第7戦が開催され、#39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が優勝。#5 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が5位でフィニッシュし、チャンピオンを獲得した。

スーパーフォーミュラの2020年シーズン最終戦の舞台は富士スピードウェイ。今シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大により当初のスケジュールが大幅に変更となり、8月下旬に開幕戦が開催され、例年より約1カ月遅い12月に最終戦を迎えた。

ドライバーズタイトル争いは#5 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が55の同ポイントで首位につけ、#1 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)が49ポイント、#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が48ポイントで続き、この4人がチャンピオンの権利を持って最終戦に挑んだ。ただし全7戦中5戦のポイントが有効となるルールのため、ここまでの6戦すべてでポイントを稼いでいるキャシディと野尻は少ない方から2戦分が引かれ、有効ポイントはキャシディが42ポイント、野尻が43ポイントとなり、これが実質上の保有ポイントとなる。

午前に行われたノックアウト方式の公式予選では、Q1でキャシディに走路外走行があったとされ、該当ラップのタイム抹消処分を受けて最後列グリッドとなる波乱があった。山本、平川、野尻は順当に予選を勝ち上がり、8台でポールポジションを賭けてタイムアタックを行うQ3に進出。全車がコースレコードを更新するという、ハイスピードなタイムアタックの末、野尻が今季2度目のポールポジションを獲得した。2番手は第2戦で優勝している#39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)。そして山本が3番手。以下、#50 松下信治(Buzz Racing with B-Max)、#15 笹原右京(TEAM MUGEN)、#6 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)と続き、平川は8番手で予選を終えた。

この結果、山本に予選3位の1ポイントが加えられ、56ポイントとなって単独首位に躍り出た。ノーポイントだった平川は1ポイント差でつけ、ポールポジションの野尻には3ポイントが加えられ、トップから10ポイント差。キャシディは14ポイント差で最終戦の決勝レースに挑むことになった。

決勝レースは40周。給油は行われないが、10周目からファイナルラップまでの間に1回以上のタイヤ交換義務がある。好スタートを見せたのは2番グリッドの坪井。ポールポジションの野尻を抜いてトップで1コーナーに飛び込んでいった。4番グリッドの松下も3番グリッドの山本を1コーナーまでに抜くと、コカ・コーラコーナーで野尻をも抜いて2位に浮上。1周目終了時点の順位はトップが坪井、以下松下、野尻、山本、笹原と続き、8番グリッドからスタートした平川が6位に上がってきていた。4周目、平川は5位に浮上し、山本とのチャンピオン争いが直接対決の図式に。この2人のバトルはレース終盤まで続いた。

3位を走行する野尻は、山本と10ポイント、平川と9ポイントの差があるため、優勝しないと逆転チャンピオンの望みが薄くなる。そこで、前を走る2人の前に出るために賭けに出て10周目にピットイン。しかし作業ミスもありピットストップに時間がかかってしまった。その後ライバルたちも続々とピットイン。21周目には最後尾スタートのキャシディ以外はすべてタイヤ交換を終えていた。そのキャシディがトップを走行していたが、実質上のトップとなる2位は坪井で、以下松下、野尻と、トップ3はタイヤ交換前と同じ順位に戻り、タイヤ交換を行う前は7位を走行していた大湯が実質4位に浮上。その後ろで山本、平川のチャンピオン争いバトルが繰り広げられた。

トップのキャシディはタイヤ交換の時間を稼ごうと、2位以下より速いペースで走行を続けた。29周目、野尻がタイヤのトラブルからリタイヤしチャンピオン争いから脱落。その周にトップのキャシディがタイヤ交換のためにピットインした。このタイヤ交換時期を遅らせたキャシディの作戦は成功し、最後尾スタートにも関わらず5位まで順位を上げてきた。

これで全車のタイヤ交換義務が完了し、あとはチェッカーまでコース上でバトルを繰り広げることになる。レースが動いたのは33周目。3位の大湯が松下に仕掛け2位に浮上し、その後ろではキャシディが山本を抜いて4位に浮上した。キャシディは優勝してチャンピオンの可能性を手にするため渾身の走りで前を追い、4.3秒あった3位との差をあっという間に詰め38周目には3位の真後ろに迫ってきた。

残り2周、坪井、大湯、松下、キャシディの4台が激しいバトルを繰り広げたがそのままの順位でチェッカー。坪井が参戦2年目のシーズンで、今シーズン唯一の2勝目を飾ったドライバーとなった。大湯は2位でフィニッシュし、第6戦での優勝も含め41ポイントを稼ぎルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。F1直下のGP2やFIA-F2選手権で5勝の実績を持つ松下が、スーパーフォーミュラでは初となる3位表彰台を獲得した。

そして直接のチャンピオン争いとなった山本と平川のバトルは、何度か平川が仕掛けるシーンがあったが、山本は最後まで守りきりキャシディに続く5位、平川が6位でチェッカーを受けた。この結果、山本が62ポイントとなり3度目のドライバーズタイトルを獲得。平川は2ポイント差でランキング2位。坪井とキャシディは50ポイントで並んだが、2勝を挙げた坪井がランキング3位となった。

これで2020年のすべての日程が終了。2021年は4月3日・4日の日程で、富士スピードウェイで開幕戦を迎える予定だ。

■スーパーフォーミュラ 第7戦 決勝レース結果
1. #39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
2. #65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
3. #50 松下信治(Buzz Racing with B-Max)
4. #1 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
5. #5 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
6. #20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
7. #15 笹原右京(TEAM MUGEN)
8. #4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
9. #36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)
10. #3 山下健太(KONDO RACING)
11. #7 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)
12. #38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
13. #64 大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)
14. #14 大嶋和也(ROOKIE Racing)
15. #18 国本雄資(carrozzeria Team KCMG)
16. #6 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
17. #12 タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)
以上完走

--. #16 野尻智紀(TEAM MUGEN)
--. #19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
--. #51 シャルル・ミレッシ(Buzz Racing with B-Max)

《藤木充啓》

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