トーヨータイヤおよび、同社生産子会社のトーヨータイヤセルビアは12月15日、セルビア・インジヤ市の新工場建設予定地にて起工式を開催した。
起工式には、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領、ヴラディミール・ガク インジヤ市長、勝亦孝彦 駐セルビア特命全権大使など、約40名が参列し、工場建設工事の安全を祈願した。式典は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止の対策をとりながらの開催となり、トーヨータイヤの清水隆史社長は国内よりリモートで参加した。
清水社長は挨拶にて、「この工場で生産される製品の多くは、将来、ドイツの新R&Dセンターで設計・開発される予定であり、ヨーロッパでの地産地消を進めていく」と、欧州初の同社工場での生産稼働に向けて意気込みを語った。また、ヴチッチ大統領は「この投資は、セルビアにとって言葉に表せないほどの非常に重要で価値のあるものだ。トーヨータイヤの進出を支援していただいた日本とわが国の人々に最大級の敬意を表したいと思う」と感謝のコメントを述べた。
トーヨータイヤは、差別化された付加価値の高い製品を強みとし、北米市場を基軸にグローバルでの事業展開を推進している。一方、ロシアを含む欧州市場へは国内工場、マレーシア工場からタイヤの輸出供給を行ってきたが、セルビアの新生産拠点がこれらに代わってその主要な役割を担っていく。
同社8番目の生産拠点となるセルビア工場は、グローバルな成長戦略を実現する第一歩と位置付けられており、2019年11月に開設した欧州R&Dセンターと連携してコスト競争力と高い技術力を追求していく。新工場では、2022年4月よりタイヤ生産の稼働を始め、2023年夏には年産約500万本(乗用車用タイヤ換算)のタイヤ生産体制を確立する計画だ。