ダイムラー、次世代の液体水素燃料補給技術を共同開発…燃料電池トラック向け

メルセデスベンツの次世代燃料電池トラックコンセプト、GenH2トラック
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ダイムラー・トラック(Daimler Truck)は12月10日、燃料電池トラック向けの次世代の液体水素燃料補給技術を、リンデ社と共同開発する契約を締結した、と発表した。

両社は協力して、液体水素を処理するための新しいプロセスを開発する。このアプローチによって、より高い貯蔵密度、より長い航続、より速い水素補給、優れたエネルギー効率が可能になるという。両社は2023年、ドイツの試験ステーションにおいて、プロトタイプ車両に最初の水素補給を計画している。

ダイムラー・トラックは2020年9月、メルセデスベンツの次世代の燃料電池トラックコンセプト、『GenH2トラック』を発表した。同車には、エネルギー密度が高いガス状の水素の代わりに液体水素を使用する。これにより、動力性能は現在のディーゼルトラックと同等になるという。

ダイムラー・トラックのエンジニアは、牽引力、航続、性能などの点において、現行のメルセデスベンツ『アクトロス』と同等の性能を、メルセデスベンツGenH2トラックで追求した。たとえば、GenH2トラックの量産バージョンでは、車両の総重量が40トン、最大積載量が25トンになる。 2つの液体水素タンクと、強力な燃料電池システムにより、重量物を最大1000km、長距離輸送できる燃料電池トラックを実用化していく。

ダイムラー・トラックが液体水素を使用するのは、気体水素よりも体積に関して、高いエネルギー密度を持つためだ。液体水素を使用する燃料電池トラックよりも、タンクを小型化でき、圧力が低下するため、大幅な軽量化が可能になる。これにより、トラックの積載スペースと積載重量が大きくなる。同時に、より多くの水素を搭載できるため、トラックの航続が大幅に伸びる。これにより、GenH2トラックは現行のディーゼルトラックに匹敵する長距離輸送が可能になるという。

ダイムラー・トラックは、CO2ニュートラル化に向けた活動を加速している。GenH2トラックは、今後実用テストを経て、2020年代後半に量産開始を予定している。またEVトラックでは『eアクトロス』を2021年に、『eアクトロス ロングホール』を2024年に量産開始することを発表し、ダイムラーグループ全体でCO2ニュートラル化を推進している。

《森脇稔》

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