只見線会津川口-只見間の復旧は2022年度上半期の見込みに…第6只見川橋梁の地質が想定よりも悪く

只見線の第5只見川橋梁(193.3m)。2011年7月の豪雨で橋桁が約25m流失した。
  • 只見線の第5只見川橋梁(193.3m)。2011年7月の豪雨で橋桁が約25m流失した。
  • 只見線不通区間の概要。再開時はJR東日本と福島県による上下分離方式の運行となる。
  • 第6只見川橋梁桁架設の工法変更。架設用ケーブルの基礎部分に使う「グラウンドアンカー」を固定させるための硬い地層が想定より深かったため、コンクリートウエイトにアンカーを通して固定する工法に切り替えられた。
  • 地質に問題が生じた第6只見川橋梁の現況。橋脚工事が完了しており、現在は桁架設の準備工事が進められている。
  • 第5只見川橋梁の現況。橋脚・桁架設工事が完了しており、現在は軌道工事が進められている。
  • 第7只見川橋梁の現況。橋脚工事が完了しており、現在は桁架設工事が進められている。
  • 橋梁以外では、法面崩壊が発生した箇所の補修や軌道復旧工事が進められている。左が被災時、右が復旧状況。

JR東日本仙台支社は8月26日、只見線会津川口~只見間27.6kmの復旧工事完了を2022年度上半期に見込んでいることを明らかにした。

同区間は2011年7月の水害により橋梁流出などの被害を受け、長期運休を余儀なくされたが、福島県とJR東日本は2017年6月、復旧費用を福島県が3分の2負担する基本合意書・覚書を締結。合わせて、復旧区間では福島県が施設を保有する第三種鉄道事業者、JR東日本が運行を担う第二種鉄道事業者とする上下分離方式とすることが決まり、施設部分は福島県へ無償譲渡されることになっている。

復旧工事は2018年6月に始まり、2019年11月には完了見込みが2021年度中になったことが発表されたが、その後、第6只見川橋梁の地質が想定よりも悪いことが判明。それを受けて、橋梁桁架設へ向けた工法を再検討の上、全体の工程への影響を精査した関係で、復旧時期が先送りされることになった。

なお、列車運行の再開時期については、復旧工事完了後に訓練運転などを行なう関係上、2022年中を目指すとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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