[カーオーディオのソースユニットにこだわる]AV一体型ナビで楽しむ

AV一体型ナビの一例(パナソニック)。
  • AV一体型ナビの一例(パナソニック)。
  • AV一体型ナビの一例(クラリオン)。
  • AV一体型ナビの一例(ケンウッド)。

カーオーディオを満喫したいと思ったとき、こだわるべきポイントはさまざまあるが、「ソースユニットに何を使うか」も、当然ながら吟味すべきポイントの1つだ。今回からスタートする当短期集中特集では、そこのところを深掘りし解説していく。

一般的な「AV一体型ナビ」の「ソースユニット」としてのポテンシャルとは…。

「AV一体型ナビ」を含めた「市販カーオーディオメインユニット」は、さまざまな役目を負っている。カーオーディオシステムの中では「ソースユニット」でもありまた「コントロールユニット」でもあり、さらには「パワーアンプ」でもある。そして「AV一体型ナビ」はさらに「カーナビ」としての役目も果たす。つまり、「ソースユニット」としての役割はこれに与えられた使命の一部に過ぎない。しかしながら今回は一点集中的に、「ソースユニット」であるところのポテンシャルを分析していく。

なお「AV一体型ナビ」は「カーオーディオメインユニット」としてみた時、2タイプに大別できる。1つが「一般的なタイプ」でもう1つが「ハイエンドタイプ」だ。ちなみに、ここで言う「ハイエンドタイプ」には以下の3シリーズが該当する。三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』、カロッツェリアの『サイバーナビXシリーズ』、そして同じくカロッツェリアの『サイバーナビ』だ。

さて、この2つがどう違うのかというと、最大のポイントは「高度なDSPが搭載されているか否か」、だ。DSPが搭載されていると詳細なサウンドチューニングが可能となる。そうであることの意義は相当に大きいので、「カーオーディオメインユニット」としては“別物”として扱おうと思う。なので今回はまず、「一般的なタイプ」についてみていく。

ところで、カーオーディオで使われる「ソースユニット」には2タイプがある。1つが「車載専用機」、そしてもう1つが「外部機器」だ。「AV一体型ナビ」は当然ながら前者に含まれるわけだが、前者は後者と比べて車内においての操作性が高い。まずはこの部分が利点だ。そしてそれ以外での利点はどこにあるのかと言うと…。

“ハイレゾ音源”を再生可能な「AV一体型ナビ」が増加中!

まず注目したいのはファイルフォーマット対応力だ。昨今の「AV一体型ナビ」は、ファイルフォーマット対応力がますます高くなっている。特に注目すべきは、“ハイレゾ音源”への対応だ。“ハイレゾ音源”とは「CDスペック(44.1kHz/16bit、もしくは48kHz/16bit)を上回るオーディオデータ」のことを指すのだが、このより情報量が多く高音質な音楽ファイルを再生可能なモデルが、ここ数年でぐっと増えてきた。

ちなみに「AV一体型ナビ」として初めて“ハイレゾ音源”の再生を可能としたのはご存知、ケンウッドの『彩速ナビ』シリーズだ。ケンウッドは、2015年の2月に発売した当時のフラッグシップグレード『Type Z』シリーズにて、他に先駆けてこれを聴けるようにしてみせた。

なお現在では、さまざまなモデルで“ハイレゾ音源”の再生が可能となっている。一般的な「AV一体型ナビ」の中では、クラリオン、アルパイン、パナソニックの全モデル、または一部のモデルで“ハイレゾ音源”が再生可能だ。

なお、ケンウッドの『彩速ナビ』シリーズは現在3グレード構成となっているのだが、上位2グレードの全モデルが“ハイレゾ音源”の再生を可能としている。しかも対応する範囲も広く、また非“ハイレゾ音源”も192kHz/32bitのデジタルデータにアップコンバートし“ハイレゾ”クオリティで再生する。また、トップエンドグレードの『Type M』シリーズの各機は、スマホに収められた“ハイレゾ音源”を“ハイレゾ”相当の音質でBluetoothで転送できる“LDAC(エルダック)”にも対応している。スマホを「ソースユニット」として使う場合にも当機は、“ハイレゾ音源”を高音質のまま楽しめる。

最新の「AV一体型ナビ」は、“デジタルメディアプレーヤー”としてマルチに活躍!

また昨今の「AV一体型ナビ」は、メディア対応力も高い。SDカード、USBに対応し、SDカードについては大容量規格のSDXC/SDHCに対応している機種もある。これらメディアを使えば大量の音楽データを車内に持ち込める。またアダプタを活用することでminiSD、microSDメモリーカードが利用できる場合もある。

そして先にも記したとおり対応フォーマットも幅広いので、これらメディアに収録された映像系のファイルも再生可能な場合も多い。つまり最新の「AV一体型ナビ」は、“デジタルメディアプレーヤー”としても高性能化が果たされているというわけなのだ。

なお最新機種は、他の「ソースユニット」を活かす能力も長けている。例えば“HDMI端子”が備わっているモデルであれば、スマホの“ミラーリング”が可能となる。つまりスマホアプリをナビ画面に映し出せるようになるわけだが、カーオーディオ的にこの機能が重宝するのはズバリ、YouTubeを視聴するときだ。動画のセレクト等の操作はスマホ画面で行うしかないが、映像をナビ画面に映し出せて音声を車載スピーカーで聴けるようになる。YouTube派は、「AV一体型ナビ」を選ぶ際には“HDMI端子”の有る無しのチェックはマストだ。

さらには、Bluetoothに対応していればスマホのミュージックアプリをナビ画面で操作しながら聴けるようになるし、iPod/iPhoneをケーブル接続することで楽曲再生をナビ画面で操作しながら行える機種も実に多い。

ところで、車内で“ブルーレイディスク”も楽しめたら…、と考えているドライバーも少なくないはずだ。これの再生が可能となる市販「AV一体型ナビ」も存在している。パナソニックの『ストラーダ』がそれだ(『Fシリーズ』の一部と『RXシリーズ』に“ブルーレイディスクプレーヤー”を搭載)。“ブルーレイ”対応を重視するならば、選択肢は『ストラーダ』の一択となる。

さて、次回は「ハイエンドナビ」の「ソースユニット」としてのポテンシャルを分析していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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