春闘2020…自動車メーカー、一時金は要求減目立つ

トヨタ自動車元町工場
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自動車メーカーの2020年春闘は2月12日に一斉に労組から要求が提出された。ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分の要求は7年連続となったものの、ベアの額を公表しない動きも広がった。3月11日の集中回答日に向け、交渉が活発化する。

トヨタ自動車はベアや定期昇給、手当てなどを合計した金額で組合員平均月1万1000円の要求となった。昨年は1万2000円の要求に対し、1万0700円の回答だった。ただ、手当ての内容は昨年と異なり、単純比較はできないとしている。

トヨタのベア要求額の非公表は昨年に続き2年連続となった。また昨年、トヨタ同様に非公表としていたマツダは今年も継続するとともに、新たにSUBARU(スバル)も同様の措置とした。両社は組合員平均で月9000円の要求となっている。

ホンダのベア要求は月1000円で、独自の制度である「チャレンジ加算」の原資として1000円を要求した。この制度は組合員のチャレンジ意欲を喚起する狙いで、年2回、通常の賃金に上乗せして支給されるものだ。このほか日産では、ベア相当3000円を含む賃金改善原資として昨年の妥結と同じ9000円が要求された。

一方、年間一時金の要求(年間月数)は以下のようになった。

企業 20年要求 19年妥結
トヨタ 6.5か月 6.7か月(満額)
日産 5.4か月 5.7か月(満額) 
ホンダ 6.0か月 6.3か月(満額)
スズキ 5.8か月 5.9か月(要求6.1か月)
マツダ 5.0か月 5.2か月(満額)
スバル 5.8か月 5.6か月(満額)
三菱自 5.5か月 5.7か月(満額)

業績が比較的好調なスバルを除き、全社が昨年の妥結実績を下回る要求にとどまった。今期(2020年3月期)の連結業績ではトヨタ、スバル、ホンダの3社が営業増益を予想しているが、他社は業績の悪化が避けられず、一時金の要求も低水準となった。

《池原照雄》

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