スズキ 鈴木社長「インドの右肩上がりは終わり、山あり谷ありに」…第2四半期営業利益は40%減

決算を発表するスズキの 鈴木俊宏社長
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  • スズキ本社(参考画像)

スズキが11月5日に発表した2020年3月期の第2四半期(4~9月期)連結決算は、営業利益が前年同期比40%減の1186億円となった。インドの新車市場低迷や同国通貨の円高などが収益を圧迫した。通期予想は10月に発表していた数値に下方修正した。

第2四半期での営業減益は11年度以来8期ぶり。四輪車グローバル販売は17%減の140万8000台だった。最大シェアをもつ主力のインドは金融引き締めなどによって市場の低迷が続いており、スズキの販売も27%減の67万5000台と大きく落ち込んだ。また、完成検査体制の再構築に伴う減産の影響が出た日本は5%減の33万3000台となった。

営業損益段階では販売減少による売り上げ減少や構成比の悪化などによる減益影響額が425億円に及んだ。為替は影響が大きいインドルピーやユーロなどに対して円高となり、他通貨も含めた減益影響は161億円になった。売上高は9%減の1兆7554億円、純利益は42%減の793億円で、過去最高だった前年度から一転し、大幅減益となった。純利益の減益は10期ぶり。

通期の四輪車販売計画は、従来比で49万台少ない284万9000台(前期比14%減)に修正した。インドは20%減を計画している。通期業績は10月10日に下方修正を発表しており、営業利益は期首予想比1300億円減額の2000億円(38%減)、純利益は同600億円減額の1400億円(22%減)と、従来の増益予想から大幅な減益に転じる。減益決算は2期連続となる。

都内で記者会見した鈴木俊宏社長は第2四半期業績について「インドの状況を反映している。昨年10月の台風で農村部から悪化し、(今春の)総選挙後には景気刺激策が期待されていたがそうはならなかった。ローンの貸し渋りや頭金の増額などで、市場が冷え込んでいった」と指摘した。

スズキのインドでの販売は10月に増加に転じている。しかし、鈴木社長は「明るい兆しは出てきているが、この1年で回復していくのか非常に読みづらい」と慎重な見方を示した。また、インドの長期的な施策については「右肩上がりで一直線に行くことはない。山あり谷ありとなるので、谷を乗り切るよう、地面に根を下ろして販売網や拡販への取り組みを進めたい」と強調した。

《池原照雄》

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