マツダ 藤本常務「インセンティブ抑制は継続する」…第1四半期営業利益は79%減

決算を発表する マツダ 藤本哲也常務執行役員
  • 決算を発表する マツダ 藤本哲也常務執行役員
  • マツダ3 新型(SKYACTIV-G 2.0)
  • 広島港で出荷を待つマツダ3。

マツダが8月1日に発表した2020年3月期の第1四半期(4~6月期)連結決算は、営業利益が前年同期比79%減の70億円となった。主力市場である米国や中国での販売が振るわず、為替の円高影響や北米での品質関連などの費用負担も圧迫材料となった。

第1四半期のグローバル販売は12%減の35万3000台だった。米国は15%減の6万8000台で、新モデルの『マツダ3』を投入したものの、セダン市場の縮小という逆風もあり、同車は想定より約3000台少ない販売にとどまったという。また前期から減少が続く中国は、市場の低迷もあって21%減になった。日本も20%減と苦戦した。

営業利益段階での増減益要因は、販売減による影響が60億円、パワーステアリングの訴訟に関連した一時的な品質費用および米国の新工場建設への投資などが125億円の減益要因となった。為替は1ドル110円で、前年同期からは1円の円安となったものの、ユーロや豪州ドルなどマツダにとって影響の大きい通貨が円高となったため、為替変動による減益影響は108億円に及んだ。純利益は75%減の52億円となった。

通期業績予想は営業利益1100億円(前期比34%増)、純利益800億円(27%増)としている従来数値を据え置いた。また、4%増の161万8000台を掲げているグローバル販売計画も維持している。

都内で記者会見した藤本哲也常務執行役員は、第1四半期の業績について「為替の円高が100億円規模の減益要因となったほか、一時的な品質費用も計上した。販売も日本、北米、中国で苦戦しているが、インセンティブを抑制する売り方にチャレンジしている」と評価した。新世代商品の第1弾となるマツダ3の米国での販売に関しては「高価格帯では順調だが(価格に敏感な)エントリークラスでは厳しい」と指摘した。ただし、インセンティブの抑制や価格維持の販売手法については「継続して取り組んでいく」と強調した。

また、通期業績の今後の見通しについては「為替変動など事業環境の変化を慎重に見極めていきたい」と述べた。

《池原照雄》

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