【三菱 デリカD:5 新型試乗】オールラウンドプレイヤーとしての魅力が増した…片岡英明

三菱 デリカD:5 改良新型
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改元前に気合の入ったマイチェンを断行

オフロードや雪道が似合う異色のミニバンが三菱の『デリカD:5』だ。アウトドア派を中心に好評を博しているが、時代が平成から令和に変わるのを前に気合の入ったマイナーチェンジを断行した。

フロントマスクは強い存在感を放ち、押しが強い。遠くからでもデリカとはっきり分かる。デリカD:5の主役は、SUV並みの走破性能を誇る4WDモデルだ。標準仕様とアーバンギアが用意され、インテリアもデザインを一新して質感を高めた。

新開発エンジンかと思わせるディーゼルターボの実力

4WDモデルの主役は4N14型と呼ばれる2267ccのコモンレール式直列4気筒DOHC直噴ディーゼルインタークーラーターボだ。2022年から施行される厳しい排ガス規制を乗り切るために燃焼室まで変え、排ガス浄化のために尿素SCRシステムも採用している。最高出力は107kW(145ps)/ 3500rpm、最大トルクは380Nm(38.7kg-m)/ 2000rpmと、パフォーマンスは4リットルクラスのガソリンエンジンと同等だ。トランスミッションは8速ATを組み合わせた。

驚かされたのはディーゼルターボの実力である。新開発エンジンだと思わせるほど、気持ちよく軽やかに回った。1000回転台からモリモリとパワーとトルクが盛り上がり、力強い加速を見せている。応答レスポンスが鋭いだけでなくスピードのノリもいいから、高速道路では追い越しも余裕でこなした。8速ATも滑らかにつながる。このエンジンは滑りやすいオフロードや雪道でも扱いやすい。

しかもクルージング時は静粛性も高かった。さすがに高速走行では風切り音が耳につくが、80km/hあたりまでなら上級クラスと遜色ない静粛性だ。100km/h走行中の回転数は従来モデルより300回転くらい低くなり、1500回転をちょっと超えたところにとどまった。フロアやルーフに遮音材をおごっているから、2列目、3列目に座っても静かで快適だ。

ライディングフィールが劇的進化、SUV顔負けの走破性も健在

電子制御4WDシステムには4輪接地荷重や制動力配分、4輪スリップなどを統合制御する「AWC」技術を導入し、ヨーレート制御も追加している。オートモードの守備範囲が広く、舗装路から雪道まで、モードを切り替えることなく走り切れるのがうれしい。オフロードを走らせる機会が多いデリカD:5は従来モデルでも剛性が高く、長く乗ってもスライドドアは無理なく開けられた。

新型はサブフレームを新設計するなどの努力によって剛性をさらに高めているから、悪路や雪道を走っても安心感がある。ワインディングロードでは1795mmの全幅による広いトレッドが安定感のある走りを生んでいた。

滑らかな操舵フィールのデュアルピニオン式電動パワーステアリングを採用し、サスペンションをリファインしているからしたたかなフットワークを見せ、ハンドリングも軽やかだ。直進安定性に優れ、コーナリングでは舵の利きが驚くほどよくなっていた。

ロールしていく感じが自然で、接地感と挙動の変化もわかりやすい。サスペンションは懐が深いから雪道でもコントロールしやすく、修正するのもラクだ。乗り心地も驚くほどよくなっている。

また、ブレーキングしたときの制動能力は高いし、挙動の乱れも上手に抑えていた。オフロードや雪道でもトラクション能力は高く、片輪が浮くようなギャップも無理なく走りきることが可能だ。もちろん、4WDロックモードに切り替えれば、SUV顔負けの走破性を見せつける。

弱点もあるがオールラウンダーとしての魅力増!

キャビンはどの席に座っても広く、快適だった。マイナーチェンジだからやり残したこともある。3列目シートの跳ね上げ作業には力を必要とするし、ナビの使い勝手も今一歩だ。USBポートの接続ソケットが少ないのも若者には不満だろう。

いくつか弱点はあるが、オールラウンドプレイヤーとしての魅力を増し、環境性能も大きく向上させたのが最新のデリカD:5だ。

■5つ星評価

パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員

《片岡英明》

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