GS倒産件数が5年ぶりの増加…25%増の35件 東京商工リサーチしらべ2018年

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東京商工リサーチの調査によると、2018年(1~12月)のガソリンスタンド(GS)倒産は前年比25.0%増の35件で、5年ぶりに前年を上回ったことがわかった。

負債総額は同53.2%増の63億8100万円。負債10億円以上の大型倒産は1件にとどまったが、1億円以上5億円未満が16件と2倍増になったことが影響した。また、2018年に倒産(法的整理、私的整理)以外で事業活動を停止した、GSの「休廃業・解散」件数は同36.5%増の198件にのぼり、直近5年では最多。事業不振だけでなく業界の先行きが不透明なことも、事業承継がスムーズに展開できていない要因の一つとみられる。

倒産の原因別では、「販売不振」が同26.3%増の24件で全体の68.5%を占めた。形態別では、破産が同36.3%増の30件で85.7%を占めたのに対して、再建型の民事再生法はなく、経営不振に陥った企業の再建が厳しいことを示した。地区別では、全国9地区のうち、北陸を除く8地区で倒産が発生した。最多は近畿の8件(前年2件)。次いで、関東7件(同4件)、中部7件(同5件)、東北5件(同3件)、九州4件(同7件)、中国2件(同2件)、北海道1件(同1件)、四国1件(同3件)の順。倒産は各地で発生しているが、都道府県別では22都道府県で発生し、最多が大阪の5件(同1件)だった。

資源エネルギー庁によると、全国のGS(給油所)数は2017年度末で3万0747か所で、ピークの1994年度末(6万0421か所)から23年連続で減少し、ほぼ半減している。この要因としては、エコカーの普及、若者を中心とした自動車離れ、高齢化に伴う運転者の減少、乗用車保有率が低い都市中心部への人口集中などが挙げられる。さらに、地下埋蔵タンクの腐食防止対策の義務化、などの規制強化が小規模ガソリンスタンドに資金的重しとなって事業閉鎖を促したとみられる。今後もガソリン需要は減少傾向が続く見通しで、市場拡大の要因に乏しく厳しい経営環境が続くとみられる。

《纐纈敏也@DAYS》

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