もつ煮にするか肉豆腐にするか…越後屋食堂 国道18号横川

肉豆腐にするかもつ煮にするかそれが問題だ!国道18号線横川の越後屋食堂。
  • 肉豆腐にするかもつ煮にするかそれが問題だ!国道18号線横川の越後屋食堂。
  • 国道18号線を佐久、軽井沢から高崎へ。交通事情によっては高速道路を利用するまでもなく流れる。
  • 年季の入った店舗の前にクルマを並べ食事をする。
  • 前から気になっていた看板。お店を切り盛りするのは80代のご夫婦だ。
  • 選ぶのがむつかしい肉豆腐ともつ煮。セットの定食という手があった。人気メニューだという。
  • 煮込まれたもつ煮。一味唐辛子を振って食べれば、寒い時期もうれしい。
  • 濃いめに煮込まれた肉豆腐。もつ煮とも味のコントラストも絶品だ。つい飯が進む。
  • 小皿に盛られたお新香、肉じゃが、素朴なみそ汁。脇役の役者ぶりもうれしいものだ。

軽井沢(長野県軽井沢町)から国道18号で碓氷峠を下った横川(群馬県安中市)と言えば、「釜めし」を思い描く人は多いだろう。しかし、ここの越後屋食堂もぜひ立ち寄っておきたい食堂だ。

2018年の年末は何度か軽井沢を訪れることがあった。軽井沢から東京方面に帰るとなると、上信越自動車道の碓氷軽井沢インターチェンジへは、ひとつ峠を越えなければアクセスできないのに対して、18号は軽井沢の街を出るとすぐ碓氷峠を越えられる。18号で高崎へ出てから17号や254号を利用して東京へ向かっても、交通事情によっては上信越道経由と所要時間が変わらないこともある。碓氷峠を下った横川の先、上信越道の松井田妙義インターチェンジから上信越道に乗る場合もある。

横川エリアを訪れた際のグルメとしては、おぎのやの釜めしが定番だろう。筆者も好きなので、18号のドライブインおぎのや横川店にはよく立ち寄る。そんなこともあって、前から気になっていながら立ち寄る機会がなかったのが、おぎのやの少し碓氷峠寄りにある食堂「越後屋食堂」だ。

先日早朝に軽井沢を訪れ、10時頃に横川を通ると、すでに営業中と出ていたので、遅めの朝食兼早めの昼食で立ち寄った。

古めかしい建物に、年季の入った看板。その前にクルマを停める。観光客向けというか、関東と信州、日本海方面を往来するトラックなども立ち寄るお店だ。時季的にも寒くなってきたころ。品書きを見ると「もつ煮」が目に飛び込んできた。しかしその直後に「肉豆腐」ともある。これは困った、悩ましい。

80歳代のご夫婦が、切り盛りしていた。開店直後でがらんとした店内。掘りごたつが並びそこに腰を下ろす。「肉豆腐ともつ煮、どっちにしようか迷ってしまって」というと「セットがあるよ、結構人気だね」とご主人が薦めてくださった。そうして待っていると、次々にお客さんが入ってきて、やはりもつ煮と肉豆腐は人気のようである。

「寒くなったね、掘りごたつとか、こんな古いうちは今の人には珍しいでしょ?」と、ご主人は待っている間いろいろとお話を聞かせてくださった。

「紅葉のシーズンくらいまでは、ドライブや、ツーリングでずいぶんたくさんのお客さんが来てくれる。遠くから寄ってくれるのはうれしいね。関西のナンバーとか、北海道、福岡とかの人もいたなあ。ここで商売しているので動けないけれど、お客さんの乗ってきたクルマのナンバーを見て、ちょっと旅行した気分になれてうれしいね。いちばん大勢来たときは、バイク乗りの人たちがグループで30台以上、お店の前にずらっと並んだことがあった。半分ずつもつ煮と肉豆腐を出して大忙しだった。かなり体が言うこと聞かなくはなっているんだけど、みんなが来てくれる間は続けていたいね」

肉豆腐ともつ煮、どちらもしっかりと炊きこまれていて、しっかり味もついて、体が温まる。「新米だもんさ、そりゃ美味しいよ!」と自慢気にご主人が教えてくれた、炊き立てのご飯もごちそうだ。

ちょっと濃い味付けの街道飯、朝晩冷えてきた冬場は特にうれしい、横川のもつ煮と肉豆腐だった。勢いよくかきこんだ食事の旨さにもまして、ここに立ち寄ってよかった、と思えたことは、元気に奥様と店を切り盛りするご主人から聞いた、旅の思い出、出会いだった。

手作りの味で旅人をもてなしてくれる越後屋のような食堂は、全国的にもかなり数が減っていると実感する。こちらの方面を訪れたらぜひ立ち寄りたい。

《中込健太郎》

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