経団連「就活ルール」撤廃、60年ぶりの大変革で政府主導へ[新聞ウォッチ]

経団連「就活ルール」撤廃、60年ぶりの大変革で政府主導へ[新聞ウォッチ]
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年10月10日付

●経団連就活ルール撤廃、政府主導で新指針協議、21年入社から(読売・1面)

●東証大量データで障害、一部取引停止、数秒間に1000倍受信(読売・1面)

●トヨタ、英生産停止も、EU離脱交渉決裂にらむ(読売・9面)

●実習生を追加解雇へ、日立、フィリピン人20人(朝日・38面)

●2030年にも1.5度c上昇、IPCC被害明示(毎日・1面)

●倒産、バブル以来の低水準。上期4124件、2年ぶり前年下回る(産経・11面)

●グーグル、情報流出恐れ、最大50万人半年隠蔽か(産経・11面)

●車認証、英・大陸双方で、トヨタや日産、EU離脱に備え、負担増に懸念(日経・1面)

●世界景気、にじむ警戒感、IMF、貿易戦争5段階で試算(日経・3面)

●吉利・ダイムラー配車サービスで提携、中国で合弁設立交渉(日経・11面)

●EV電池脱コバルト、パナソニックなど開発着手(日経・13面)

●月旅行で「よりよい仕事」ゾゾ前沢氏(日経・17面)

●脱線現場を再現、事故の教訓学ぶ、JR東、福島の施設拡充(日経・40面)

●日野、1.5万台リコール、ブレーキシステム不具合(日経・40面)

ひとくちコメント

学生の採用活動で面接の解禁時期などを定めた就職活動の指針(ルール)が廃止されるという。経団連が会長・副会長会議で、現在大学2年生である2021年春入社以降の新卒者を対象とする就職・採用活動のルールを策定しないことを正式に決めたもので、きょうの読売、朝日、産経、日経の各紙が「経団連就活ルール撤廃」などと、1面トップで報じている。毎日と東京も1面準トップ記事で取り上げている。

経団連の「就職協定」が始まったの1953年。60年以上も続いたその就職協定を今回はいったん廃止。政府主導で新たな方式作りを行うという。経団連の決定を受け、政府は経済界、大学の3者で構成する協議会を創設し、新たなルール作りを主導する形に切り替える方針のようだが、「働き方改革」同様に政府の主導で方向性を決めることに違和感を覚えないでもない。

経団連の中西宏明会長は記者会見で「ルールを作って徹底させるのが経団連の役割ではない」と廃止の理由を説明。同時に「経団連の会員企業は不満を持ちながら順守してきた」と、ルールに縛られない新興・外資系企業との人材獲得競争で後れを取ってきたことへのいら立ちを見せたという。その背景にはソフトバンクや楽天など時期を問わずに学生を採用する通年採用の拡大があるようだ。

ただ、就活ルールの見直しが円滑に進まなければ、学生・企業双方が活動を本格化させる時期を大幅に早めかねず、学業への影響が懸念されるとの見方もある。読売も「経済界と大学側の思惑は大きく異なり、学生には戸惑いが広がる。今後の議論は難航する可能性もある」と伝えている。

また、日経は社説でも取り上げて「学生の能力をいかに高めるかが肝心だ」とのタイトルで「企業は即戦力として中途採用や外国人採用を増やしている。新卒者には何を期待し、どう育成するかも明確にする必要がある」と指摘している。

《福田俊之》

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