国交省、経営悪化のJR北海道の自立を支援 2年間で400億円投入

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  • JR北海道「単独では維持困難な線区について」

国土交通省は、業績が悪化しているJR北海道(北海道旅客鉄道)の経営を支援するため、2年間で約400億円台を拠出するとともに、JR北海道に対して、経営改善に向けた取り組みを着実に進めるよう監督命令を発出した。

JR北海道は、人口減や他の交通手段の発達による利用者の減少などで経営が悪化、2016年11月には単独では維持できない路線を公表して地域の関係者らと協議してきた。これを受けて国土交通省は、JR会社法に基づいてJR北海道を支援するとともに、経営改善に向けた取り組みを着実に進めることを命じた。

北海道新幹線が札幌に延伸する効果が表面化する2031年度の経営自立化を目指して、収益増加とコスト削減に取り組み、徹底した経営努力を行う。具体的には札幌市圏内の非鉄道部門も含めた収益の最大化、新千歳空港アクセスの競争力強化、インバウンド観光客を取り込む観光列車の充実、JR貨物との連携による貨物列車走行線区の旅客列車の利便性向上とコスト削減などを進める。

利用者減で路線を維持できない区間は2019年度、2020年度を「第1次集中改革期間」とし、2次交通も含めたあるべき交通体系について徹底的に検討する。その際、国は交通体系のあり方を検討する地域の関係者に必要な支援を行う。その後、第1期集中改革期間を検証し、2021年度から2023年度までの「第2期集中改革期間」に移行する。

JR北海道は2018年度中に第1期集中改革期間の事業計画を策定するとともに、2019年度から2023年度までの中期経営計画と2019年度から2030年度までの長期経営ビジョンを策定する。計画に掲げた項目は四半期ごとに鉄道局と検証して情報公開する。

国は国鉄清算事業団債務処理等処理法の規定に基づいて鉄道運輸機構を通じて2019年度と2020年度、400億円を支援する。この資金は持続的に路線を維持する仕組みが必要な線区での鉄道施設、車両の設備投資と修繕、貨物列車走行区間での貨物列車の運行に必要な設備投資と修繕、青函トンネルの維持、経営基盤を強化するための前向きの設備投資に充当する。

また、2021年度以降は、JR北海道と地域の関係者の取り組み状況を検証し、着実に経営改善が進展していることを前提に、JR北海道の健全な経営を確保するための枠組みを構築するとともに、経営自立に向けた国の支援を継続するため、所要の法案を国会に提出することを検討する。

《レスポンス編集部》

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