ジェイテクトは6月28日、2017年に発表した高耐熱リチウムイオンキャパシタについて量産計画を発表した。
生産は2019年4月から東刈谷事業場(愛知県刈谷市)にて月間2000セルでスタート。さらに同年秋からは花園工場(愛知県岡崎市)にて月間4万セルを生産する予定。
ジェイテクトの高耐熱リチウムイオンキャパシタは、電動パワーステアリング(EPS)の補助電源として開発されたもの。省エネ・自動運転化に大きく貢献するEPSの採用が増える中、SUVなどの大型車両にEPSを搭載する場合は12Vの車両電源では不足するという状況がある。そこで同社ではキャパシタと充放電コントローラーを従来のEPSに付加することで、車両電源の12Vにキャパシタからの6Vの電圧を付加し、18Vの高出力を実現する。
キャパシタは、物理的に電力を充放電する蓄電池で、一度に高いエネルギーを放出する瞬発力があるが、リチウムイオン二次電池同様に、耐熱性に課題があった。ジェイテクト製リチウムイオンキャパシタは独自技術により、-40度Cから85度Cまで使用可能とし、さらに上限電圧を制限することで105度Cまでの高温環境でも使用可能としている。
今後はEPSの補助電源としてだけでなく、キャパシタの単体販売や、バランス回路を組み合わせたモジュール販売、充放電コントローラーを組み合わせたシステム販売も行う予定。また、自動運転時のバックアップ電源といった自動車領域だけでなく、自動車以外の分野での用途拡大も目指す。