ネットワークのあり方がConnected Car社会のキーファクター…総務省 新世代移動通信システム推進室 和田憲拓

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ネットワークのあり方がConnected Car社会のキーファクター…総務省 新世代移動通信システム推進室 和田憲拓
  • ネットワークのあり方がConnected Car社会のキーファクター…総務省 新世代移動通信システム推進室 和田憲拓
自動運転やEVなどのブレークスルーによって、自動車が変化しようとしている今、次世代通信規格「5G」実用化に向けた検討が進められている。自動車のブレークスルーとITが通信によって融合したとき、モビリティはどのように変革するのか。


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<自動車を巡る動向(主に通信関係)>



近年、5G等のモバイルネットワークの高速・大容量化やビッグデータ、AI 等の進展により、ネットワークにつながる車である「Connected Car」が実現され、誰もが自由に安全・便利な移動サービスを享受できる社会の到来が期待されている。一方で、ネットワークにつながることによるセキュリティ上の脅威など、Connected Car社会における課題も指摘されている。

参考:「Connected Car社会の実現に向けた研究会」

<研究会での議論>


このような背景から、総務省では2016年12月から2017年7月にかけて「Connected Car社会の実現に向けた研究会」を開催し議論を進めてきた。研究会は、学識経験者、自動車メーカー、通信事業者、機器メーカー、関連サービス提供者(保険、観光、セキュリティ)など多様な関係者の参画のもと、Connected Carがもたらす新たな社会像やその推進方策等の検討を行った。具体的には、「データの利活用等により創出される新たなサービス・ビジネス」、「Connected Car社会を支える無線通信ネットワークのあり方」、「安全で利便性の高いプラットフォーム構築のための方策」等について議論した。

Connected Carによって実現されるサービスは、より個々のドライバーに応じたサービス、例えば、ドライバーの身体状況に合わせて空調を自動で調節するサービス、音声アシスタントによるコンシェルジュのようなサービス、あるいはドライバーの運転の仕方を分析して保険を提供するサービスなどが考えられており、車両内外の様々な情報を扱えるということは、それらの情報をもとにした色々なサービスも展開できるため、目下話題となっている自動運転への寄与はもちろんのこと、ドライバーサポートやエンターテインメントも含めて、より魅力的なソリューションを皆さんに提供できるのではないかと考えている。車が単なる移動手段から様々な社会・経済活動も行える高機能空間に変わることを期待している。


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<今後の課題>


まず、ネットワークのあり方について、超低遅延で伝えるべき情報(安全に直接関係する情報等)、多少遅延しても大丈夫な情報(安全に直接関係しない情報等)を区別して、様々な通信方式を活用しながら効率的に伝送する方策を真剣に議論していく必要がある。どれか一つの通信方式でConnected Carや自動運転に必要となる情報の全てを伝送することは現実的ではないため、様々な通信方式の利点を踏まえながら、組み合わせて活用することが重要だと考えている。さらに細かく言うと、自動車における通信をどう捉えるかということを改めて考えていく必要がある。通信では、「パケットロスしたからもう一回送る」、「ユーザーが多いため通信速度が遅くなるのもやむなし」というベストエフォート方式が主流だが、こういった通信業界の常識を自動車に対してそのまま持ち込むと議論にならない。なぜかというと、自動車は人命を預かるため、メーカーが最優先するのは“安全”だからである。安全とベストエフォートの兼ね合いを踏まえて、最適な通信方式やシステム構成、ネットワークのあり方を検討していく必要がある。

ダイナミックマップの整備については、各自動車から得られる情報を元にダイナミックマップを随時更新することが重要になってくるが、それにはプライバシーの問題をクリアする必要がある。また、集めたデータを利活用するための基盤、プラットフォームを用意する必要がある。こちらは既に立ち上がったダイナミック基盤株式会社や内閣府SIPが主体となって、関係各省庁の協力のもと議論や整備が進んでいくのだろうと考えている。

そして、セキュリティ面の対応も重要である。この対応を疎かにしたことで、外部からの侵入によってセキュリティが脅かされ、自動運転システムを乗っ取られて事故が引き起こされ、人の生死に直接関わる事案が発生することが懸念されている。実際に、アメリカではそのような実例も報告されており、これはIoT時代を迎えるにあたっての総論的な課題ではあるが、一番分かりやすい形でリスクとして現れるのが自動運転・Connected Carになると感じている。

最後に、必要な実験を行うための環境の整備も今後取り組むべき課題である。これは政府全体の課題でもあるが、気軽に色々なことを試せる環境を構築していくことも大事だと考えている。

上記を背景とし、
5月29日開催のセミナーでは「自動運転」、「Connected Car=つながる車」に関して総務省の最新の取組み(5Gを含む)を紹介する。
《和田 憲拓》

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