三谷産業が広島に新事業所を建てた理由「CASE時代、ティア1.5へ」

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三谷産業が新たに設置した広島事業所
  • 三谷産業が新たに設置した広島事業所
  • 三谷産業 三谷忠照 代表取締役社長
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「いま、自動車産業のトレンドはCASE。ティア1から受注するティア2にとどまらず、ティア1.5として、グローバルに取り組んでいく」

自動車部品やエネルギー関連などを手がける三谷産業(本社:石川県金沢市)の三谷忠照代表取締役社長は5月8日、広島市内に新築した事業所内でこう伝えた。

同社は5月8日、鉄筋造3階建ての新たな広島事業所を報道に公開。開所式や安全祈願祭も行われ、三谷社長や、M&E事業部 内山豊章部長らが登壇。事業所の役割やビジョンについて語った。

同社は、広島事務所などをこれまで賃貸でまかなっていたが、自動運転やコネクテッド、電気自動車といったクルマの時流にあわせるべく、7億9000万円をかけて広島事業所を開設。広島市内に点在していた事務所・事業所をこの新たなビルに集約させた。

車載用部品事業を拡大させている三谷産業は、リレーボックスやワイヤーハーネスカバー、プリント基板ユニットなどを、ベトナムに工場を持つグループ会社「ABCD社」「ADMS社」「FCV社」で製造。ABCD社では金型・成形品を、ADMS社は成形品・複合ユニット製品をつくり、FCV社(FUJITSU COMPUTER PRODUCTS OF VIETNAM)はプリント基板の設計・製造・組み立てを行っている。

「2017年6月に富士通グループのFCV社の株式を50.001%保有し子会社化。富士通グループと協調しながら車載用部品をサプライヤーや自動車メーカーに納入している」(内山部長)

今回、新築した広島事業所は、どんな役割を持つか。ベトナムABCD社にトライアルセンターを設けている同社は、品質管理・製品評価・工程設計・人材育成といったトライアルセンターを国内にも新設し、ダブルチェック体制を整備。そこに白羽の矢が立った地が、広島だった。

「広島事業所は、生産準備部と質保証部の2部門で構成。生産準備部では、金型設計・育成・評価、生産設備設計・製造・製品評価、工程設計・評価を。品質保証部 では、品質保証全般、工場への品質指導などを行う」と内山部長。

「樹脂・エレクトロニクス事業では、ベトナムでの金型・成形事業を加速させ、海外生産比率100%に引き上げる。そのいっぽうで、車載電子部品には開発から生産まで切り離すことができない生産準備プロセスがあり、ベトナム工場への移管が難しい高難易度な生産技術が要る。広島事業所は、ものづくりのコア技術の開発・育成と、改良改善を支える生産技術を磨くマザー工場という位置づけ」

同社製リレーボックスを手に内山部長は、「CASE時代になると、こうしたリレーボックスなども要らなくなる。今後はエンジンコントロールユニットなども自社開発・製造していきたい」と話す。

三谷社長や内山部長がいうCASEは、接続性・コネクティビティのC、自動運転・オートノマスのA、共有・シェアードのS、電気化・エレクトリックのE。同社は今年度、現業技術の工程自動化、自動検査・梱包ラインの開発・製造を継続し、新技術「DSI・ユニット」(DSI製品・金型)の事業化をすすめる。また、CASE時代に先がけて、2020年には自動組立ラインやコネクタ組立ラインの開発・製造を手がける。

このDSI(Die Slide Injection)は、型をスライドさせながら樹脂成形する技術。電子部品やプリント基板を金型内に装着後、樹脂成形しモジュール化するという技法で、気密性に優れ、部品点数削減、つなぎ目のない美しい仕上がりが特長。

三谷社長は「たとえば、富士通グループがつくる電子部品が組み込まれた製品を、このDSI技術などで樹脂成形しモジュール化するという工程も、より付加価値が高いもの、精密で高度なものをめざしたい。CASEの時代へ向け、より電子化するパーツが増えていく中、メーカーやサプライヤーが求めるものにスピーディにより確かに対応していきたい」と語った。
《大野雅人》

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