ホンダの苦悩、四輪車の販売台数が過去最高でも相変わらず低い営業利益率

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決算会見を行う(左から)倉石誠司副社長、竹内弘平専務、森澤治郎経理部長
  • 決算会見を行う(左から)倉石誠司副社長、竹内弘平専務、森澤治郎経理部長

ホンダが4月27日に発表した2017年度連結決算は、売上高が15兆3611億円(前期比9.7%増)と過去最高になったものの、営業利益は8335億円(同0.9%減)と減益に終わった。今期も同様に増収減益の見通しだ。

「17年度の四輪車の販売台数は過去最高だった」と倉石誠司副社長は胸を張り、「日本では『N-BOX』シリーズが新車販売台数第1位を獲得。米国では累計生産台数が2500万台を達成。中国では145万台と過去最高を記録し、広汽本田の累計生産台数が600万台を達成した」と強調した。

世界販売台数は前期比3.4%増の519万台で、特に中国は全需の2.4%増を上回る11.5%増だった。18年度はそれをさらに上回る537万台を計画する。日本は1%減(7000台減)の69万台と微減になるが、主力の北米が6%増(11万3000台増)の201万5000台、中国を含むアジアが3%増(5万4000台増)の222万台を見込んでいる。

このように好調さを誇る四輪車販売だが、営業利益率はそれに反して悪化している。16年度に6.0%だったのが、17年度5.4%、18年度4.5%という具合なのだ。もちろん乗用車メーカーの中では平均以下。

しかも、四輪事業だけをとると、16年度4.9%、17年度3.4%で、18年度も4.5%を下回るのは間違いないだろう。なにしろ、二輪事業のそれはこの5年間約10%をキープしているからだ。特に17年度は13.1%と高い営業利益率を誇っているのだ。

また、17年度の四半期ベースで見ると、第4四半期の四輪事業の営業利益率は0.9%とほとんど利益が出ていない状況なのだ。米国で激しい値引き販売をしていると思われるかもしれないが、「インセンティブは業界でも最低で、平均4000ドル弱に対して、ホンダは1500ドル弱」と倉石副社長は話す。

四輪車の販売台数を伸ばしても営業利益率が良くならない---。ここにホンダの苦悩があると言っていいだろう。15年6月にホンダの舵取りを任された八郷隆弘社長は、『フィット』の相次ぐリコールで混乱した社内をなんとか正常化させ、四輪車の販売も増加傾向にまで持ってきた。あとは営業利益率をいかに高めていくか、今後その手腕が問われていきそうだ。

《山田清志》

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