世界初のドローン用エアバッグを開発、松屋R&D…ジャパンドローン2018

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松屋R&Dが開発したドローン用エアバッグ
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福井県大野市に本社を構える松屋R&Dは3月22日に幕張メッセで開幕した「ジャパンドローン2018」に初出展し、ドローン用のエアバッグを初披露した。もちろん世界初の製品で今年末から受注生産を開始するという。

同社は1982年に現社長の後藤秀隆氏が興した会社で、セーフティ&メディカルヘルスケアをメインに事業を展開している。その代表的な製品はエアバッグの縫合機械と血圧計に使われている膨らむ腕帯だ。

特にエアバッグの縫合機械については、その道では有名なオンリーワン企業である。「トヨタ自動車の『カムリ』で使用されているエアバッグは100%近くうちの機械でつくったといいでしょう」と後藤社長は話す。

そんな同社がドローン用のエアバッグをつくるきっかけになったのは、昨年11月に岐阜県大垣市で起こった事件だ。ドローンを使って上空からお菓子をまいていたら、ドローンが落下し、子どもらを含む6人がケガをした。

それを知った後藤社長は、落ちて当たった時の衝撃を和らげるためにエアバッグが必要になるだろうと開発を始めた。そして、完成したのが今回展示したものだ。すでに多くの国で特許を取っているそうだ。

「このエアバックはドローンが空中でバランスを崩して落ち始めるとすぐに自動で開くようになっているんです。しかも、このエアバッグを装着していれば、ドローンが水面に落ちても沈むことなく浮いています。また、高価なカメラをプロテクトすることもできます」と後藤社長は説明し、すべてのドローンに対応したエアバッグをつくれるという。価格はドローンの大きさによって異なるが、後藤社長の話によると、3万~15万円とのことだ。

世界初の製品とあって、来場者の反響も大きく、「ほしい」という声が相次いでいるそうだ。しかし、後藤社長は悩みを打ち明ける。「たくさんの注文をいただいても、おそらくうちでは対応できないと思います。どこかと一緒に組んで生産できるようにしていかなければならないでしょう」

このエアバッグには折りたたみ方などいろいろなノウハウがあるので、なかなか真似のできないとのことで、今後ドローンが普及するにしたがってその必要性は増していき、同社にとって有望なビジネスになることは間違いないだろう。

《山田清志》

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