政府はエネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)の一部を改正する法案を閣議決定した。
2015年に策定した長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)で掲げる省エネ見通し実現に向けて、現行法が直面する課題に対応するのが目的。
省エネ法は産業・業務・運輸(貨物輸送事業者、荷主)を対象に省エネ取り組みの判断基準を示し、一定規模以上の事業者にはエネルギー使用の状況を報告させ、必要に応じ指導する。家電や自動車などを対象に機器効率の目標を設定している。家庭部門や運輸の旅客分野は、家電や乗用車の効率向上によって省エネが進展している。
今回、エネルギーミックスの実現に向け、産業・業務部門と運輸の貨物分野について省エネ法の見直しと支援策(税・補助金)のパッケージで取り組みを強化する。
具体的には、産業部門、業務部門、運輸部門での省エネを促進するため、複数事業者が連携する省エネ取り組みを認定し、省エネ量を事業者間で分配して報告することを認めることとする。省エネに取り組んだ各事業者が適切に評価される制度を創設する。
また、貨物輸送の省エネを促進するため、現行法の「荷主」の定義を見直し、貨物の所有権を問わず、契約で貨物の輸送方法を決定する事業者を荷主とする。これによってネット小売事業者を法律の規制対象に確実に位置づけ、省エネ取り組みを促す。
さらに到着日時を適切に指示することのできる貨物の荷受側を「準荷主」と位置づけ、「荷主」の省エネ取り組みへの協力を求める。