北海道が維持困難線区のあり方を公表…宗谷・石北線は存続ありきの「幹線交通」

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フォローアップ会議の集中審議で「幹線交通」として位置づけられた宗谷本線名寄~稚内間。写真は、名寄駅で発車を待つ、キハ54形の音威子府行き普通列車。
  • フォローアップ会議の集中審議で「幹線交通」として位置づけられた宗谷本線名寄~稚内間。写真は、名寄駅で発車を待つ、キハ54形の音威子府行き普通列車。
北海道は2月6日、鉄道ネットワーク・ワーキングチーム(WT)が2月3日に開催した、フォーローアップ会議の第3回集中審議における検討結果を明らかにした。

WTは、北海道、JR北海道、JR貨物、自治体の代表、学識経験者らを交えて、北海道新幹線札幌開業が予定されている2030年度を念頭に、北海道における鉄道のあり方を中長期的・全道的な観点から検討を行なうもの。

JR北海道の路線維持問題で、沿線自治体との議論や協議が膠着状態になっていることから、フォローアップ会議の集中審議は年明けの1月14日から始まった。今回行なわれた3回目の審議では、維持困難線区とされている12線区のあり方が整理されている。

このうち、宗谷本線(名寄~稚内間183.2km)や石北本線(新旭川~網走間234.0km)は、国土形成や北海道の骨格をなす幹線交通ネットワークであり、宗谷本線はロシア極東地域との交流拡大の可能性があることも考慮する必要があるとした。

また、根室本線(釧路~根室間135.4km)は、北方領土の近隣地域である点などを考慮する必要があること、貨物輸送も担っている根室本線(滝川~富良野間54.6km)と石北本線は、路線存廃の協議・検討と並行して、関係機関との議論も必要であること、根室本線(富良野~新得間81.7km)は、圏域間のネットワーク形成に配慮する必要であることが、それぞれ盛り込まれている。

観光路線として名高い富良野線(富良野~旭川間54.8km)と釧網本線(東釧路~網走間166.2km)については、観光利用だけで鉄道を維持することは難しいとしており、関係機関が一体となり、観光路線としての特性を発揮できる取組みを行なう必要があるとしている。

一方で、札沼線(北海道医療大学~新十津川間47.6km)、日高本線(苫小牧~鵡川間30.5km)、室蘭本線(沼ノ端~岩見沢間67.0km)については、「他の交通機関や利用の状況を踏まえる必要」があるとしているが、貨物輸送も担っている室蘭本線については、路線存廃の協議と並行して、貨物輸送のあり方を関係機関と協議する必要があるとした。

このほか、列車の運行を休止している日高本線(鵡川~様似間116.0km)については、自然災害が頻発する厳しい環境に置かれた線区であり、利用状況やバスまたはデュアル・モード・ビークル(DMV)に関する調査報告を踏まえること、留萌本線(深川~留萌間50.1km)については、利用状況や高規格幹線道路の2019年度全線開通を踏まえることがそれぞれ必要としている。

WTの座長を務めている北海道大学大学院工学研究院准教授の岸邦宏氏は、今回の検討結果を「個別線区の存廃判断や、線区の優先(重要)度に関する格付けを行うものではない」としており、最終調整を経て、2月10日に開催される予定の総合交通政策検討会議で報告すると述べている。

その後、北海道では運輸交通審議会や議会での議論を経た上で、本年度中にも「北海道交通政策指針」(仮称)を策定することにしている。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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