国土交通省は、同じ方向に向かう複数の利用者をインターネット上でマッチングして“相乗り”乗車する相乗りタクシーの実証実験を、1月22日朝9時からスタートする。東京都内23区、武蔵野市、三鷹市などで実施する。
石井啓一国交省は19日の会見で、「1人で利用するよりも、割安な運賃で利用できるようにするもの。高いからと利用を控えていた人にも利用しやすいタクシーサービスを目指す」と、サービスの見通しについて話した。
相乗りタクシーの料金は、利用者全員の実車距離の運賃総額を、利用者それぞれが利用した距離の割合に応じて負担する。一度に相乗りできるのは、最高3人、3か所までの目的地に限られる。タクシーというより、少人数の乗合バスに近い。
利用は実験に参加するタクシー事業者が配信するiPhoneとAndroidスマホ専用アプリを活用することが前提になる。希望者は相乗りタクシー予約前に、そのアプリ上で運賃を確認して、クレジットカード決済で予約を成立させる手順だ。
乗車する場所は、必ずしもタクシー乗り場である必要はなく、実施エリアであればどこでも指定できる。主に乗り場として想定されるのは、東京駅八重洲口、神田駅南口、錦糸町丸井前など東京駅以東を中心に30か所だ。
利用希望者が、どのタクシーに割り振られるかは、アプリのプログラミングによって自動的に決まる。目的地の方向が違う場合や、1人で利用する運賃より高くなる場合は予約ができない設定だ。
実験に参加するのは、大和自動車交通グループ4社649台と、日本交通グループ11社300台。実験終了は3月11日。同日23時59分開始の予約まで可能だ。予約の受付時間、相乗り可能な人数については2社で違いがある。アプリのダウンロードは大和が19日から、日本交通は22日から。