英国でテクノロジーパークを運営するHORIBA…全長100kmのテストコース

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HORIBA MIRAのテクノロジーパークの模型
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英国中部ミッドランド地域は自動車関連企業が多く集まる自動車開発における最先端技術の集積エリアだ。HORIBA(堀場製作所)はそこで自動車関連のテクノロジーパーク「HORIBA MIRA(ホリバマイラ)」を運営している。

そのテクノロジーパークは敷地面積が297ha、東京ドーム約60個分と広大で、高速テストコースをはじめ特殊な試験コースなど全長100kmのテストコースを有する。もちろん、そのほかの施設も充実しており、車体構造試験室、耐久性試験ラボ、自動車排ガス試験室、衝撃実験室、EMC半無響室など20を超えるテスト実験施設がある。

また、メディカルセンターやコーヒーショップ、サッカーグランド、テニスコートなどもあり、今後日本食レストランやホテル、託児所などもできるそうだ。そのため、この敷地内にはトヨタ自動車やホンダ、アストンマーチン、ベントレー、ジャガーなどの完成車メーカーやボッシュ、コンチネンタル、ミシュランなどの部品メーカー、計38社が開発拠点を設置している。

「もともとここは英国政府が設立した研究機関のMIRA社が運営していたところなんですが、2年前にホリバが買収したのです。しかし、日本ではまだまだ知られていないので、今回のセミコンにテクノロジーパークの模型を展示し、日本の自動車関連企業を誘致しようと考えたのです」と同社関係者は説明する。

現在、英国政府に半分出資してもらって新たな実験施設を建設している。これからクルマがインターネットにつながるようになっていくため、サイバー攻撃をうけたらクルマの挙動がどうなるのかを実験するための施設だそうだ。

ただ、多くの企業が軒を連ね、同じ施設を利用するため、コンフィデンシャルには気を遣っているという。当然、セキュリティカードがあり、許された人、許されて時間にしか施設には入れないようになっている。また、テストコースではどこのクルマであるか分からないようにカムフラージュをして走らせている。

「うちとしては、自動車開発における先進技術のサポートを行い、次世代の自動車開発のためのソリューションを提供しているところです。そして、自動車関連企業が新たな施設をつくる時に、ホリバの製品を設置してもらえればと考えています」と同社関係者は話す。

また、各種認証試験の書類をホリバマイラで作成し、英国車両認可機関(VCA)の認定取得の手伝いも行う。もともと英国政府の機関で、敷地内にVCAの施設もあるため、ここでは手続きがスムーズにできるそうだ。

ホリバでは今後、このテクノロジーパークで得た技術と同社の自動車計測システム機器事業で展開する自動車開発や規制に関する分析・計測技術を統合し、新たな製品・サービスの拡充を進めていく。特に自動運転や電気自動車など次世代モビリティ分野に力を入れていく計画だ。

《山田清志》

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