停電でも走行できる…神戸市営地下鉄で巨大地震対応の畜電池を整備

鉄道 行政

通常時の電力供給イメージ(左)と停電時の電力供給イメージ(右)。通常時は蓄電池へ充電している形になる。蓄電池には川崎重工業製の「ギガセル」を使用している。
  • 通常時の電力供給イメージ(左)と停電時の電力供給イメージ(右)。通常時は蓄電池へ充電している形になる。蓄電池には川崎重工業製の「ギガセル」を使用している。
兵庫県神戸市は、11月9日に行なった市長会見で、大規模地震による津波浸水や広域停電に備えて、市営地下鉄海岸線に非常時走行用の蓄電池を整備したことを明らかにした。11月末に整備が完了し、12月中にも運用を開始する予定。

神戸市営地下鉄海岸線は、三宮・花時計前駅(神戸市中央区)と新長田駅(神戸市長田区)を結ぶ7.9kmの路線。

神戸の港湾地域を走行することから、数千年に1回発生すると言われる「レベル2」規模(M9クラスの巨大地震・津波に相当)の「南海トラフ巨大地震」が発生した場合、みなと元町・ハーバーランド・中央市場前・和田岬の4駅が、津波浸水被害地域に入ると想定されている。神戸市ではそのことを踏まえて、2019年度までに津波浸水対策を施し、完了後は、これら4駅は浸水区域外となる。

しかし、津波が想定外の規模になることも考えられるとして、神戸市では、2016年6月からおよそ2億2500万円をかけて、海岸線の複数の列車が広域停電により立ち往生した場合に備える対策を進めていた。

大規模地震が発生した場合、駅間距離が1.4kmと、最も長いハーバーランド駅~中央市場前駅間で、避難完了まで40分程度を要することが過去の訓練で確認されているが、神戸市では、通勤・通学ラッシュ時などを考慮して、最大で60分程度と想定していた。

その想定をさらに迅速化するには、走行中の電車を停電後も次駅まで走らせ、駅から直接避難することが必要であるとして、電力会社からの送電がストップしても、ラッシュ時に10分間は列車を順次走行させることできる、大容量のニッケル水素蓄電池を御崎変電所(神戸市兵庫区)に整備した。これにより、避難時間を最大30分程度にまで短縮できると見込んでいる。

同様の対策は、大阪市に次いで2例目となるが、神戸市の久元喜造(ひさもときぞう)市長は「この整備により、地下鉄に乗っていてなにかが変わるわけではないが、安全水準はかなり高まる」としている。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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