【INDYCAR 第11戦】42歳カストロネベスが3季ぶりの通算30勝目…琢磨は予選5位から決勝16位、タイトル争いでも後退

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#3 カストロネベスが3年ぶりの勝利を得た。
  • #3 カストロネベスが3年ぶりの勝利を得た。
  • ファンとともに勝利を喜ぶカストロネベス。
  • #3 カストロネベスは通算30勝の節目に到達。
  • 万感の表情でチームスタッフと抱き合うカストロネベス。
  • #26 佐藤琢磨は苦しいレース展開で16位。
  • 琢磨がタイトル争いに生き残るためには、今が正念場のようだ。
  • 決勝2位の#21 ヒルデブランド。
  • ショートオーバルのアイオワでの戦いが終わり、次戦はトロント市街地戦となる。

インディカー・シリーズ第11戦の決勝レースが現地9日、米アイオワ州ニュートンの「アイオワ・スピードウェイ」で行なわれ、42歳のベテラン、エリオ・カストロネベスが3季ぶりの通算30勝目をあげた。予選5位だった佐藤琢磨は決勝16位、王座争いでも後退を強いられている。

コース全長1マイルに満たないショートオーバルでの戦い、予選でポールポジションを獲得したのはウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)。佐藤琢磨(#26 Andretti Autosport/ホンダ)はホンダ勢最上位の予選5位につけた。

300周の決勝、優勝争いはチームペンスキー(Penske)とカーペンター(Carpenter)レーシングを中心に展開される。途中、200周目前後の頃には小雨による中断があり、その後の実質1ピットストップレースを“完勝”してみせたのがカストロネベス(#3 Team Penske/シボレー)だった。

42歳、ブラジル出身のカストロネベスは3年前の6月1日、デトロイト戦レース2以来の勝利。「素晴らしい! チーム、そしてスポンサーやシボレーをはじめとするパートナーたちには感謝しきれない思いだ」と喜び、今回の勝因を次のように語った。「我々チームペンスキーはここ(アイオワ)で、4台のマシンでいろいろなセットアップを試した。そして自分が勝った。本当に良かったよ。繰り返すが、これはチームの力による勝利だ」。

カストロネベスは通算30勝に到達。インディ500では過去3勝の実績を誇り、今年も最後まで佐藤琢磨と優勝を争ったドライバーなのだが、これまでシリーズタイトル獲得がない。今季初勝利で、ポイント首位とはわずか8点差のランク2位に浮上。悲願の王座獲得の可能性も充分にありそうなカストロネベスだ。

決勝2位はJR・ヒルデブランド(#21 Ed Carpenter Racing/シボレー)。3位にはライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport/ホンダ)が入って、ホンダ勢最上位。ポール発進のパワーが4位で、5~6位にはグレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)、ジョセフ・ニューガーデン(#2 Team Penske/シボレー)が続いた。

琢磨は決勝序盤こそ5番手をキープして走るが、徐々に後退する流れとなり、レース中盤を迎える頃にはガクッと順位を下げる展開に。周回遅れの状況に陥り、そのまま浮上できず16位だった。

佐藤琢磨のコメント
「予選では素晴らしい戦いができ、スタート後も上位を守れていたのですが、難しいレースになってしまいました。スティントの半ばを過ぎるとマシンバランスが崩れてグリップが失われ、徐々に順位を落ちました。そして第3スティントまでに、右リヤタイヤに何か異常があることを見つけたんです。空気圧が上がらないという、通常は考えられない現象が起きていました」

「そのおかげでオーバーステアがひどく、予定外のピットストップを行なったために2ラップ遅れとなり、その直後にフルコースイエローが提示されたのも不運でしたね。その後はラップダウンから抜け出ようと努力しましたが、簡単にはいきませんでした。いいスタートが切れていただけに、とても残念です。次のトロント戦を力強く戦い、多くのポイントを獲得したいと願っています」

残り6戦、ドライバーズチャンピオン争いは今回8位だったスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)が依然として首位で403点。カストロネベスが395点で続き、今回7位の前年王者シモン・パジェノー(#1 Team Penske/シボレー)が372点でランク3位。337点の琢磨はランク7位(6位タイ)まで後退してしまった。正念場を迎えつつある状況だ。

次戦は翌週、現地16日決勝のスケジュールでカナダのトロントに舞台を移して戦いが続く。琢磨は市街地コースで巻き返しを図りたい。

《遠藤俊幸》

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