2015年に出火した函館本線嵐山トンネルでトラブル…モルタル片が落下

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モルタル片が落下したトンネル上部(上左)と、落下したモルタル片(上右)、嵐山トンネルの略図(下)。モルタル片の落下箇所は、出火事故が起きた2015年12月の火災発生箇所から100m余りしか離れていない。
  • モルタル片が落下したトンネル上部(上左)と、落下したモルタル片(上右)、嵐山トンネルの略図(下)。モルタル片の落下箇所は、出火事故が起きた2015年12月の火災発生箇所から100m余りしか離れていない。

JR北海道は6月28日、旭川市内の函館本線伊納(いのう)~近文(ちかぶみ)間にある嵐山トンネル(全長1300m)で、モルタル片の一部が落下していたことを明らかにした。

JR北海道の発表によると、6月28日12時44分頃、同社社員が調査のためトンネルに入ったところ、伊納方のトンネル入口から414m先で落下したモルタル片6個を発見した。

モルタル片の大きさは最大で約12×8×1cm、重量は最大約55gで、高さ約6.1mのトンネル上部から落下したという。

嵐山トンネルでは、2015年12月27日に出火事故が発生しており、トンネル全長のほぼ半分に相当する585mが延焼したが、今回、落下が発見された箇所は、その延焼範囲にあり、火災発生箇所からはわずか115mしか離れていない。

発見後は、安全確認と緊急点検のため、一時、列車の運行を見合わせたが、ほかに落下の恐れがあるモルタル片は確認されなかったという。

JR北海道では、2015年の出火事故を受けて、2016年1月に「函館線嵐山トンネル調査委員会」を設置し、被災状況の確認や現地視察などを実施。その後、トンネル壁面の清掃や定期検査、焼失した断熱防水板の復旧工事を進めていた。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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